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ゴジラ松井の5月不振はリーグ最長移動

 松井秀喜(35)が今季4度目となる『スタメン左翼』で出場したのは、5日のレッドソックス戦(現地時間)。この日、本当は守備に入る予定ではなかった。「やむを得ず」のレフト守備だったのである。
 「ソーシア監督も怒るときは怒りますからね。けっこう、怖いですよ。松井をレフトに入れたのもその一環です」(現地特派員の1人)

 スタメン変更となったマイク・ソーシア監督の怒りとは、前日の試合にあった。正左翼手のホアン・リベラ(31)が失態を仕出かしたのだ。レッドソックスの本拠地『フェンウェイ・パーク』のグリーンモンスターと呼ばれる高いフェンスによるクッションボールの処理にもたつき、チームの足を引っ張った。ソーシア監督はレッドソックスと同じ東地区のヤンキース時代に、この球場での左翼守備を何度もこなした松井を指し、「彼の方がよく慣れているから」と、リベラを引っ込めた。
 守備でアテにされるのは、松井にとっては嬉しい悲鳴だろう。しかし、他のエンゼルスナインはそうは見ていない。
 エンゼルスはこのボストンでの3連戦後、シアトルマリナーズとの遠征を経てから、本拠地のロサンゼルスに帰る。レイズ、アスレチックスとそれぞれ3連戦を行った後、テキサス、シカゴ、セントルイスと連続移動する予定になっている。5月13日は休日となるが、残りは移動のため、身体を休められそうにないのだ。ヒザに爆弾を抱える松井が「このハードスケジュールの5月を乗り越えられるかどうか?」と、チームメイトは心配しているのである。

 メジャーの過密日程は改めて説明する必要はないだろう。松井も8年目のシーズンを戦っており、スケジュールの厳しさは分かっているはずだが、こんな指摘もある。
 「開幕直前だったかな、エンゼルスの広報職員がスゴイ冗談をメディアの前で言っていたんです」(前出・同)
 広報職員は「今季は例年より、やや過密なスケジュールになった」と前置きしたうえで、今シーズンの総フライト距離を調べてみたと言う。ナント、5万509マイル(約8万1200キロ強)。「この移動距離はリーグ最長になる」とし、「もっとも移動距離が短いホワイトソックスの倍以上になる」とも伝えた。
 5万マイル強という距離は「ニューヨーク−ロサンゼルス間」約10往復分、地球2周分に相当する。球団広報は「大変だなあ」と笑っていたそうだが、東西を往復するような移動の連続が、松井のヒザにどんな影響を及ぼすのか…。チームメイトは最初の連続移動となるこの5月を、『1つの山場』と見ていた。松井も覚悟のうえでエンゼルス入りを決めたはずだが、“緊急でレフト守備”に入った5日はノーヒットに終わっている。日米通算1500打点に「あと1」と迫ってからは足踏み状態が続いている。打率も2割4分3厘まで急下降したのは、遠征によるヒザへの影響だろう。

 「ソーシア監督は名将です。リベラへのペナルティーもあって、松井を緊急で守備に着かせた向きは否めませんが、本人とは十分に話し合って決めたはずです。もっとも、守備機会に飢えている松井が『ノー』というはずがありませんが…」(前出・同)
 球団広報も冗談だったとはいえ、余計な知識を選手やメディアに与えてしまった。
 映画『メジャーリーグ』でもあったが、通常、選手は球場から空港までバス移動し、横付けされた専用機に乗り込む。ファーストクラスが与えられるのは首脳陣だけだが、選手はエコノミー席1列の使用が許され、肘掛けを外して寝そべることもできる。神経質な者はなかなか寝つけない。とにかく、タフでなければ務まらない“職種”なのである。
 ペナントレースはまだ始まったばかりである。総遠征距離のまだ3分の1にも通達していないだけに、たまには守備に着くのを辞退した方がいい。

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