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全日本プロレス 武藤“2冠”制圧へ

 3冠&IWGPの初のダブルタイトルマッチが31日、全日本プロレス両国国技館大会で行われた。3冠ヘビー級王者・諏訪魔が、太陽ケアと時間切れ引き分けで防衛に成功。一方、IWGPヘビー級王者・武藤敬司は、新日本プロレス、G1クライマックス覇者の後藤洋央紀を撃破した。さらに、悪の化身、グレート・ムタが3冠次期挑戦を表明したことで、武藤の2大メジャー制圧という“変則2冠”の可能性が出てきた。

 “もう1人の武藤”が新たな野望に向けて動き始めた。
 史上初、王道マットで行われたダブルタイトルマッチ。IWGPヘビー級選手権は、ホームで負けられない武藤が、シャイニングウィザード2連発からムーンサルトプレスで圧殺。V2に成功した。
 一方、3冠ヘビー級選手権は王者・諏訪魔が、太陽ケアとの60分の死闘の末、時間切れ引き分けで2度目の防衛に成功した。
 そろって防衛を果たした両王者は、早くも次期挑戦者に言及した。
 武藤はIWGP次期挑戦者について「名乗り出てほしいですよ。真壁(刀義)でも、中邑(真輔)でも名乗り出たもん勝ちだぜ。老化してんだから」と新日プロ側に一任する意向を示した。
 だが、それだけではない。「この夏休み、魔界に行ったらグレート・ムタが非常に焼きもちをやいている。次、3冠にムタが挑戦を表明すると連絡がありました。IWGPも巻いているし、3冠も巻いている。資格は十分にある」とムタの代理人として明かした。
 一方、3冠王者の諏訪魔も「やるよ。やりてぇよ。グレート・ムタとベルトを懸けてやれるなんて光栄だよ」と迎撃を宣言した。
 もはや諏訪魔vsムタのタイトルマッチは「決まったも同然」と思い込んでいる代理人の武藤だが、一筋縄ではいきそうもない。諏訪魔とのタイトルマッチを狙う男は他にもいるからだ。
 ケアのセコンドについた“性悪男”鈴木みのるは「偉そうなチャンピオンだな。暗黒時代が続いてる。見てて腹が立つな。オレが諏訪魔をチャンピオンから引きずり下ろしてやる」と次期挑戦者に名乗りを上げた。
 渕正信取締役は、挑戦者が複数の場合には「検討する必要がある」とコメント。それだけに、ムタvsみのるの次期挑戦者決定戦が行われる可能性も浮上してきた。
 いずれにせよ、ムタが名乗りをあげたことで武藤には変則2冠のチャンスが生まれた。IWGP王者としてG1優勝、6冠達成。これまで幾度となく、快挙を成し遂げてきた男が、武藤&ムタでシングル同時戴冠という前人未踏の偉業に挑む。

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