芸人と俳優たちによる、客前一発本番シチュエーションコメディ。1stシーズンがスタートしたのはおよそ8年前で、『ウレロ☆未確認少女』だった。以降、12年に『ウレロ☆未完成少女』、14年に『ウレロ☆未体験少女』、16年に『ウレロ☆無限大少女』と改題し、令和元年の冬に再始動した。
キャストは実に絢爛豪華だ。@川島プロダクションの社長を演じるのは、劇団ひとり。プロデューサー・升野は、バカリズム。作曲家・角田は、東京03・角田晃広。マネージャー・飯塚は、東京03・飯塚悟志。事務員で漫画家・あかりは、女優の早見あかり。元ももいろクローバー(現:ももいろクローバーZ)のメンバーだ。ちなみに、1stシリーズに登場した@川島プロダクション所属の地域密着型アイドル「未確認少女隊UFI」は、ブレイク前のももクロ。早見、有安杏果を加えた“6人時代のももクロ”だ。このメンツに、東京03・豊本明長、女優の福原遙がレギュラーに名を連ねる。
毎回、@川島プロダクションの事務所を舞台に起こる喜劇。技巧派ぞろいとあって、ほぼノーミスだ。アドリブ対応力も抜群で、逸脱しても笑いに帰結させる腕がある。そんな中、ドS全体で臨むのは、早見、飯塚だ。
12月3日の初回オンエアでは、独唱し続ける角田に早見が強烈なビンタをお見舞い。身長差で角田が見下す格好になり、笑いを増幅させた。さらに、角田のメガネがぶっ飛ぶアクシデントが発生。03の豊本、飯塚は、思わずニンマリした。
その豊本は、告知通り、「番組開始から20分後、ほぼ終盤になって」ようやく登場。怒りをぶちまけ続けていると、飯塚がガチの張り手で黙らせた。勢いで腰が砕け、床にへたりこんだ豊本は、「おー、シットダウンだな」とアドリブで返してみせた。
およそ45分のオンエアで、2度も頬を叩かれる03。真のコント師であることを改めて明確にした“笑撃”シーンだった。
プロデューサーは、『ゴッドタン』や『青春高校3年C組』、ニッポン放送の深夜ラジオ『オールナイトニッポンZERO』で人気の佐久間宣行さん。『ゴッドタン』に続いて、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも取り上げられたことによって起こっている東京03ブームの仕掛け人でもある。
毎話ごとにおよそ100人の観覧客を入れて、3,000円という鑑賞料を徴収する。通常、番組観覧は無料だが、同番組はテレビドラマではなくステージ演芸。チケット代とばかりに、有料化したのだ。
「タダで観る」から「払ってでも観たい」と思わせる演劇スタイル。ネット番組の進出が著しい今、地上波の在り方は変わりつつある。
(伊藤由華)