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GIジャパンC 世界最強へ ハーツ 2度目のディープ狩りだ

 昨暮れの有馬記念で日本中を驚かせた“あの男”が海外武者修行を終え、11カ月ぶりに母国に戻ってくる。日本馬でディープインパクトに唯一の土をつけているハーツクライが、秋の東京競馬を締めくくる「第26回ジャパンC」(GI 芝2400m)で堂々復帰。真の王者はオレだ!と言わんばかり2度目のディープ退治に闘志を燃やしている。
 ハーツクライ、ノド鳴り発症!衝撃のニュースが栗東トレセンを駆けめぐったのは14日の昼下がりだった。
 「ハーツクライVSディープインパクト」。いまや世界のホースマンたちが注目する優駿2頭が国内最強馬の座を懸けて臨むジャパンC決戦を11日後に控え、自らの口から「ファンの方々に前もって伝えておきたかった」と喘鳴(ぜんめい)症の事実を公表した橋口師の行動は前代未聞であり、異例中の異例といえる。
 しかし、ガラス細工と称されるサラブレッドが極限のスピードで本能を競い合う競馬において、各馬が大なり小なりの不安点を抱えてレースに挑んでいることを知らない人は少なくないはずだ。
 ひと昔前のエリザベス女王杯。バレーボールのように腫れ上がった球節を前にしても、堂々と「桜花賞以上のデキ」と公言。結果、大惨敗を喫し見るも無残な姿で愛馬の引退を余儀なくされた西の名伯楽がいれば、1番人気に推された有馬記念を不可解な馬体減で敗れ、数日たってから「あれは虫下しをかけた影響で下痢が続いていたため」とこともなげに真相をばらし、物議をかもした坂路スタンドの番人etc...知らぬが仏の輩がまた存在するのも事実である。
 その点、橋口師といえば栗東でも1、2を争うジェントルマン。「英国でも気になってはいたんだが、あれだけの強豪相手によく頑張ってくれたし、競走能力には影響はなかったと思う。その後も症状は進行していない。もし、結果に影響するなら治療や手術も考えるが、現時点でその予定はない」と誰もが納得いく形で愛馬の状況を“事前”にリリースしてくれる。
 さらに、「あなたたち報道陣の後ろには情報を欲するファンの方々がいるんだし、また、あたなたち自身も競馬ファンなんだから。だから私は事務的に対応するんです」とキッパリ。勝負は時の運といえども、この状況下で惨敗でもすれば、非難を受けることは避け難いが、JRAが掲げる公正競馬を真に貫いた橋口師の勇気ある英断には万雷の拍手を送りたい。
 もっとも、ネガティブな話が出たとはいえ、当のハーツは復帰戦のここを目標に順調に乗り込みが消化されている。
 1週前追い切りに騎乗したルメール騎手は、「先生から少しノドが鳴っていると聞かされたが、僕が乗った追い切りに関してはノープロブレムだよ」とニッコリ。「1本目からパワフルなキャンターだったし、2本目(800m51秒9)も自分がリーダーだという感じで、すごい加速で相手を交わしていった。去年のジャパンCと同じくらい力強かったし、今回もチャンスは十分」と力強く締めくくった。
 その昨年は豪快なイン強襲劇もハナ差届かずの2着惜敗。しかし、追い込み一辺倒だった当時とは違い、現在のハーツは緩急自在に立ち回れるようになった。頼もしい鞍上とともに、UAE→英国とわたり、武者修行を積んできた成果を母国で発揮するときがきた。

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