およそ1年のメキシコ遠征を終えた後藤が凱旋帰国したのは8月。その容姿は一変。洋服は今にもはち切れんばかりにパンパンになり、ヒゲを蓄えたその風ぼうはまるで俳優の真田広之のようだった。
わずか1年でここまで激変したのはメキシコでの過酷なトレーニングや生活があったからにほかならない。体重は遠征前の95kgから103kgにまで増量。「カラダじゃなくて試合を観てくださいよ。オレは絶対にIWGP挑戦してみせる」。帰国会見ではそう自信満々に吐き捨てた。
その言葉を裏打ちするように復帰したリングで大暴れ。9・24広島大会では同期の山本尚史に圧勝。10・8両国国技館大会ではかつて付け人をしていた先輩レスラーでGBHの長、天山広吉を相手に大流血戦の末白星を挙げた。この大車輪の活躍にフロントも次期タイトル挑戦にすぐさまGOサインを出した。
現在はミラノコレクションATとのタッグでG1タッグリーグで激闘を繰り広げている。21日の福岡大会では棚橋&金本浩二組と激突。棚橋との“前哨戦”で五分の攻防を繰り広げるなど、互いに一歩も譲らない。
果たして後藤は棚橋を破って新世代のエースとなれるのか、新日プロの行く末を占う大一番から目が離せない。