前日に放送したロウでは、オープニングでビンス・マクマホン会長を筆頭にマクマホン・ファミリーが異例の勢ぞろいした。ビンス会長は「みんなが望むものを提供する」と番組改革を約束した。ロウの幕が開くと、「25年続いているロウは、時代とともに変わってきた」と長寿番組を振り返りつつ、娘のステファニー・マクマホンを呼び入れた。続けて娘婿であるトリプルH、息子のシェイン・マクマホンとマクマホン・ファミリーが並ぶと、ステファニーが「今日から大きな変化を起こす」と番組改革を宣言。シェインも「俺たち4人が責任を持ってベストな体験を提供する」、トリプルHも「みんなが望むものを提供する。今はあなたがオーソリティだ」と視聴者重視を強調。WWEが2019年に向けて、何らかの“変革”を断行するのは明らかなようだ。
ロウ同様、マクマホン・ファミリーの動向が注目されていたスマックダウンでは、あの3人が舌戦を展開した。先日開催されたPPV『TLC』で、ロウ女子王者のロンダ・ラウジーの思わぬ介入により、棚ボタ式で、日本人初のスマックダウン女子王者となったアスカが登場。『TLC』で死闘を繰り広げた前王者のベッキー・リンチ、シャーロット・フレアーと顔を合わせた。
ベッキーとシャーロットがそれぞれリングに登場すると、ベッキーは「ロンダ・ラウジーを私の前に連れてきてくれ。もう少しで防衛できたのにハシゴを外された」と『TLC』で介入してきたロンダへの怒りを爆発させた。シャーロットも「ベッキーは私の後ろに並んで。ロンダは私から王座の機会を奪ったのよ」と不機嫌モード。
ここで新王者のアスカも登場。「私がチャンピオンだ」と王座獲得をアピールし、2人を挑発した。3人が舌戦を展開していると、そこにビンス・マクマホン会長がサプライズ登場。会場が異様なムードに包まれる中、「アスカ、王座奪取おめでとう」と王者を祝福した。しかし、その直後に初防衛戦を提案すると、これまでアスカとタッグを組む機会が多く、今年の東京公演でもタッグを組み人気があるナオミが登場し、そのまま防衛戦になだれ込んだ。
意外な相手との対戦に戸惑っていたアスカだったが、お互いに手の内を知り尽くしているだけに、一進一退の攻防を展開。ナオミはアスカの得意技・ヒップアタックを炸裂させるなどアスカを追い込んだが、アスカはコードブレイカーを繰り出すとアスカロックで捕まえ、ナオミはたまらずギブアップ。アスカが盟友ナオミを相手にタイトル初防衛に成功した。
アスカとビンスがリング上で対峙したことで、今後はスマックダウンも何らかの“変革”が断行される可能性が出てきた。マクマホン・ファミリーの真の狙いは何か?そしてアスカの防衛ロードの行く末はどうなっていくのか?2019年に向けた動きが少しずつ見えてきている。
文・どら増田
写真・垪和さえ