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WWEアスカが、ブル中野以来日本人女子2人目の大快挙!スマックダウン女子王座獲得!

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アスカ

 世界最大のプロレス団体WWEは日本時間17日、カリフォルニア州サンノゼのSAPセンターでPPV『TLC』を開催した。TLCとは「テーブル、ラダー、チェア」の略。この3アイテムを使用して、リングの頭上に吊るされたベルトを奪い合うルールだ。

 2000年代初頭にWWE世界タッグ王座をめぐり、ハーディー・ボーイズ、ダッドリー・ボーイズ、エッジ&クリスチャンによる3チームが数多くの名場面を作りスタイルを確立。その後、PPVを開くことができるビッグマッチのブランドにまで成長した。WWEにとって試合形式がPPVのタイトルになるのは、時間差バトルロイヤルがメインのPPV『ロイヤルランブル』以来のことであった。

 日本人女子スーパースターのアスカは元王者のシャーロット・フレアーとともに初のTLCルールで、スマックダウン女子王者のベッキー・リンチに挑戦した。ここ数週間の前哨戦では、竹刀を片手に大暴れする姿を披露。WWEユニバース(ファン)から驚きの声が聞こえていた。

 この日は序盤からドロップキックやヒップアタックといった“正攻法”で先制すると、公認アイテムに手を出す。まずベッキーをラダーに叩き付け、続けてシャーロットに珍しいパワーボムでテーブルクラッシュするなど、試合を優勢に進める。

 しかし、そのまま行かないのが、TLCルールの3WAY戦の難しさであり面白いところ。今度はベッキーが椅子攻撃で反撃し、挑戦者のアスカとシャーロットを解説席に寝かせると、ラダートップからダイビングエルボーをさく裂させた。ここで火がついたシャーロットは竹刀を持ち出して2人を滅多打ちにすると、スピアーでアスカをバリケードごと破壊。続けてベッキーにはコーナートップから場外へのトペ・コンヒーロでテーブルクラッシュして猛反撃。さすがはリック・フレアーの実娘である。

 オンナの意地がぶつかり合う白熱の攻防を繰り広げる3人だったが、終盤に突然、ロウ女子王者のロンダ・ラウジーが登場。先月に行われたPPV『サバイバー・シリーズ』でのロウとの全面対抗戦に絡んで、因縁があるベッキーとシャーロットが乗ったラダーを倒し、2人を場外に落とした。1人残ったアスカは、ラダーを駆け上って吊り下げられたベルトを奪取。アスカは棚ボタ式ながらもファームブランドNXTからスマックダウンに昇格後、初のシングルタイトル獲得に成功した。

 日本人がWWEで女子王座を獲得したのは、93年11月に全日本女子プロレス東京ドーム大会で、アランドラ・ブレイズ(メドゥーサ)を倒し、WWF(WWE)世界女子王座を奪取したブル中野以来、25年ぶり2人目の大快挙。ロウとスマックダウンが完全にブランド分けされてからは初となる。

 アスカは日本マットでは華名のリングネームで、大物フリー選手として活躍。女子版“レインメーカー”として各団体のトップタイトルを獲得し、話題にも事欠かず会場を満員にしていった。自身のプロデュース興行では、鈴木みのるら男子選手とも対戦。負けん気の強さがファンや対戦相手から評価されている。

 そんな中、2015年にWWEと電撃契約。アスカにリングネームを変更し、ファームブランドNXTでデビューすると、翌2016年には無敗のままNXT女子王座を奪取。2017年にはゴールドバーグの173連勝を抜く174連勝を達成。これにはゴールドバーグからも祝福の言葉が送られていた。

 同年8月には同じタイトルを500日以上保持し、女子の最長記録を達成。男子を含めてもハルク・ホーガンやボブ・バックランド、ブルーノ・サンマルチノら数人しか達成していない。しかし、怪我によりNXT女子王座を返上。同時にNXTからの卒業を発表し、無敗のままスマックダウンに昇格した。今年4月に開催されたWWE年間最大にして世界最高峰のPPV『レッスルマニア34』で、当時スマックダウン女子王者だったシャーロットに敗れ、連勝を止められたが、年内最後に訪れた大チャンスを逃さなかった。

 アスカの快挙は、現在NXTで昇格を目指しているカイリ・セインや、紫雷イオといった後輩の日本人女子スーパースターにも希望を与えることになる。アスカは本当の意味で『世界のアスカ』となった。

文・どら増田
写真・©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.

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