今季初戦のフランス大会で浅田は、得意のジャンプでミスを繰り返してシニア転向後、最低得点での2位に終わった。この日の午前練習でもルッツをミスし、3-3ジャンプでも回転不足を露呈するなど精彩を欠いた。午後の練習でようやくトリプルアクセルから2回転の大技を決めたが、調子を崩していることは明らか。
フランス大会後はタラソワコーチの下、ロシア合宿でジャンプに磨きをかけてきたが、現時点で解決策を見い出せていないのが実情。ジャンプの不振にあえぐ真央は、ジャンプミスが頭から離れないのか、練習後は「対策はない」「試合では思いっきりいけば、大丈夫だと思う」と言うにとどまった。
不安が残ったのは真央だけではない。強豪ひしめくアメリカ大会で価値ある2位だった中野も「スケートアメリカの後に右足首を痛めて、それをかばう形で股関節も痛めた」と言う。この日の練習では伝家の宝刀トリプルアクセルを飛ばずじまい。「ケガのことを考えないで頑張りたい。今できることを精一杯やりたい」と淡々と述べた。
真央、中野ともに2位以内でGPファイナル(12月12〜13日、韓国・高陽で開催)への進出が濃厚となるが、万全ではない2人はリンクで一騎討ちを演じられるのだろうか。