低迷が叫ばれるプロレス格闘技において唯一ドーム大会を継続開催し続けているマット界の旗頭が今年も勝負の時を迎えている。
この日、新日プロは来年1・4「レッスルキングダムII」東京ドーム大会の追加カードを発表。レジェンドの長州力&蝶野正洋&スーパー・ストロング・マシン&獣神サンダー・ライガー&AKIRAVS邪道&外道&TARU&近藤修司&“brother”YASSHIの10人タッグと飯塚高史&金本浩二&タイガーマスク&田口隆祐VS田中将人&高岩竜一&吉江豊&竹村豪氏の2試合が決まった。
とうとう全10カードが出そろったドーム決戦。メーンでIWGPヘビー級王者・棚橋弘至VS挑戦者・中邑真輔の一戦が、セミでは永田裕志VSカート・アングルのIWGP3代目ベルト争奪戦がそれぞれ行われることになり、会見では長州現場監督が「新日本のこれからの方向性を左右するカードになりました」と期待を込めた。
だが、新日プロにとって今年のドーム大会は厳冬興行になってもおかしくない。プロレス格闘技界ではフジテレビでゴールデン放送されているK-1ですら、今年は観客動員の面から決勝戦の東京ドーム大会を回避。新日プロも観客動員で8月のG1クライマックスや10月の両国大会こそ順調に客足を伸ばしたものの、11月の両国では2カ月連続開催とあって観客動員はイマイチ振るわず、不安要素を抱えている。
それだけに危機感がある。広告では東京ドーム大会のポスターを約10種類ほど制作し、駅広告では山手線をジャックする力の入れよう。実に例年の約2倍にあたる広告費を投入して観客動員に躍起になっている。
ただ、日本での苦闘の反面、明るい話題も。1・4で米新興団体TNAと全面対抗戦を行うことから、全米では特番放送が決まった。
菅林社長によれば「詳細はあらためて発表しますが、TNA絡みの試合の模様をスパイクTVで放送することになりました」。日本で試合放送するテレビ朝日の映像をもとに「2時間程度のドキュメンタリー特番になるという話をうかがっております」(新日プロ関係者)という。
WWEや現在TNAの試合中継をしている米スパイクTVでも放送されることになった1・4ドーム大会。いよいよ本番まで残り3週間を切った。