待ち望んだGI制覇だった。ライバルのヴァーミリアン、サンライズバッカスの取消で運も味方した面もあるが、フィールドルージュは川崎記念で見事、悲願のタイトルを手にした。
「何よりこのフェブラリーSに向けて余力を残して勝てたことが大きかった。その分、レース後は疲労もなく、順調すぎるほど順調にきた」と西園師は笑顔で話す。
その前走は2馬身半差の楽勝劇で最後は手綱を抑えるほどの省エネ走法。ダメージが皆無だった分、この中間の調整は完ぺきだ。トレーナーが胸を張るように、デビュー以来、最高ともいえる状態にまで達している。
「馬体の張りが素晴らしいよ。それに気合乗りがすさまじい。乗っている助手が怖がるほど近寄りがたい雰囲気を醸し出している。完全に戦闘モードに入っている」
前走の勝利は決してフロックではない。それを証明するためにも国内最強馬を完膚なきまでに叩きのめす。師はその胸の内をそっと語った。
「仮に川崎記念であの2頭(ヴァーミリアン、サンライズバッカス)が出走していたとしてもいい勝負になったと思う。中央でもタイトルを獲れるチャンスはあるし、今の具合ならヴァーミリアンとやっても楽しみ」
研ぎ澄まされた馬体と自信を胸に、いよいよ国内最強馬との頂上決戦を迎える。
【最終追いVTR】元来が攻め駆けしないタイプ。今朝も鞍上から気合を入れられても、ジリジリとしか伸びなかった。ただ、時計だけ見れば、この馬としては動いている方。体調面の良さが感じられる。