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実話怪談記者の除霊体験記(3)

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画像はイメージです。

 除霊の儀式はかなり本格的なものだった。
 まず、進学塾の廊下の入口に祭壇のようなものが作られた(写真参照)。
 私を含めたその場にいるスタッフ全員に、住職より御札が渡され、両手に粉末状になっているお香を塗り込むように言われる。
 そして、般若心経などが書かれている小さい経本がそれぞれに渡された。
 本来なら儀式の最中はお香を焚き、塩や酒を撒くという。
 しかし、生徒に儀式が行なわれたことを知られるのはまずいので、お香を焚かずに、雑居ビルの一室であるため、塩や酒を撒くこともなしで進められた。

 儀式はまず、ほら貝を吹くことから始まった。室内ということもあり、もの凄い音が響き渡る。
 その音の響きは強烈で、何もわからない私でも除霊効果がありそうな気にさせられる。
 30分ほど続いた儀式の最中では、刀で空を切ったり、矢のない弓を撃ったりする場面もあった。
 私は儀式の最中に何か異変が起きぬかと、いたるところに視線を送っていたが、残念ながら何も見ることはできなかった。
 そのあと、施設内の生徒からは見えないところにお札を数枚張り、除霊の儀式は終了した。

 今回の除霊の効果のほどは、正直なところ、私には分からない。
 それ以前に、その進学塾で起こっている怪異現象が、本当に霊によるものなのかも証明する術はない。
 建物の立地条件などにより、物理的になんらかの悪影響が起こり、それを敏感に察してしまう人間が、幻覚のようなものを見たり感じたりしただけなのかもしれない。
 『幽霊の正体見たり枯れ尾花』という言葉もある。
 しかし、このような儀式が実際に行なわれたのも事実である。
 当日、塾講師の方から訊いた話によると、ほとんど同じ時期に全ての教室で設置した進学塾の看板が、除霊を行なった施設だけ裏が真っ黒になっているというので、私も見させてもらったのだが、確かに異様な汚れ具合であった。
 そして私も、確かにその場所では『気持ちの悪さ』を感じた。
 もしも本当に彷徨える霊たちがその場にいたのならば、成仏できていればよいのだが。
 なお、今回取材に行った進学塾の名前や場所、除霊をした住職の宗派や名前などは一切公開できないため、表現が不足している描写があることに関してはお詫びいたします。

(「実話怪談記者」へみ 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/

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