自身も含め、GI馬が6頭そろったハイレベルな一戦を一網打尽にしたのは、持ち前の強じんな切れ味だった。しかも、この日はいつもの後方待機策ではなく中団8番手から。目の前を進む大本命ディープスカイを射程に入れながら、競馬を進めた。
「どの位置取りというのではなく出たなりで」(池添騎手)。直線では、そのディープと火の出るような追い比べを展開。抜きつ抜かれつの攻防をクビ差制し、ゴールに飛び込んだ。
「2キロの斤量差もありましたし、使っている強みもありましたが、きょうは強い競馬だと思います。最後は差し返されるんじゃないかとヒヤッとしましたけどね」
引き揚げてきたジョッキーはダービー馬に敬意を表しながらも、会心の笑みでレースを振り返った。
今後はオーナーと池江寿調教師が相談しながらローテーションを決めていくが、金鯱賞→宝塚記念が有力。古豪の復活で春の古馬GI戦線が混とんとしてきた。