「普段、お昼は別の仕事をしているのですが、決して給料は良いとは言えないので夜のアルバイトを探していたんです。そんな時に友人の勧めで見つけたのがキャバクラというお仕事でした」
亜美はアルバイトを探していることを友人に相談すると、知り合いのキャバクラ店を紹介されたという。
「昔から男性にはよく言い寄られていたので容姿には自信がありました。でもせっかく働くのだから、さらに自分磨きは徹底しようとエステ、ネイル、美容院に欠かさず通うように心がけたんです。たしかに出費は激しかったですが、その分、稼げばいいと思っていました」
その甲斐あってか亜美は、半年で店のナンバー1に登りつめる。しかし待っていたのは同僚からの猛烈な嫉妬と嫌がらせだった。
「決して楽な仕事ではなかったけど、その頃はやっとお店にも慣れて、お給料も満足できる額を頂けるようになりました。でもそれと同時に一緒に働いていた女の子達から急に無視されるようになったんです」
同僚からの嫌がらせは無視することだけに留まらず、彼女が接客で着用するドレスを傷つけたり、あらぬ噂を客に流すといった悪質なものだったという。
「どのような悪口を言われていたかを、お客さんから聞いたことがあるんです。その内容は酷いものばかりで過去に体を売ってたとか、あの子は人のものを盗むとか根も葉もないことばかり。いくら高収入だとはいえ、さすがに精神的に耐えられなくなり、夜の世界からは身を引くことにしたんです」
亜美は現在、昼の仕事をメインで働いている。キャバを辞め、収入は減ったが、精神面はとても安定していると笑顔で話した。
(文・佐々木栄蔵)