それに呼応して、アメリカの銃社会について至るところで真剣に討論されたものだった。日本側の論調はもちろん「銃は絶対No!」。
しかし意外だったのは、当時もっとも前衛的で進歩的なバンドとされていた、メタリカのフロントマン、ジェームズ・ヘッドフィールドの意見だ。
−− 銃はアメリカ社会から一掃されてしかるべきでは?(インタビュアー)
「ううん…そうは思わない」(ジェームズ)
えええ!? という意外な答えだった。
「意外」というのは、表面上だけをなぞらえた感想かもしれない。この答えで多くの事が明らかになったのあった。まず、アメリカ人にとって銃は「開拓精神の象徴」であり(西部劇で正義の保安官に銃はつきものである)、適切な例えかわからないが、サムライにとっての刀に等しいという事。
それとジェームズ・ヘッドフィールドは全米ライフル協会の会員だったという事(狩猟を趣味にしている人たちの団体)。メタリカの意外に保守的な一面を見た最初の瞬間だった。
メタリカの保守的な一面は、P2P技術やmp3に対して非常に厳しい事でも知られている。ヨーロッパや電子音楽のアーティスト達はこのあたりについて、もうすこし柔らかい考えを持っている。
もちろん保守的だからダメ、柔らかいから良し、という事でも無いことを付け加えておこう。
(みんみん須藤)