◎はガルヴァニック。松永幹師(=写真)とは、私めの専門紙在籍時代の部下がジョッキーエージェントをしていた関係上、長らくの付き合い。「マイシンザンを思い起こさせるすごい末脚やったな」というぶしつけな問い掛けにも、現役時代とかわらぬミッキースマイルで「えっ、そんなもんなんですか!?もっとでしょう」と即答。切っても切れない師匠・山本先生から引き継いだ縁の深い愛馬に熱い視線を送る。
「3歳馬同士の最後の一戦だったので、何としても勝ちたかった」という前走は札幌2歳S以来、約7カ月ぶりの実戦になったが、道中、中団の外々から勝負どころで余裕しゃくしゃくに進出。ラスト1Fからの伸び脚は、まさしく“遅れてきた大物”の形容がピッタリの圧勝劇。同じレースで他馬に騎乗していた中舘騎手が即座に「すごく走るね。福島に使うならボクにぜひ乗せてください」とオファーしたほど。しかも、「そんなに攻め馬をやってなかったし、直線を向いてしばらくしてから、やっと手前をかえられた」(同師)との舞台裏を語られれば、そのポテンシャルの高さになおさら、魅了される。
唯一の敗戦となった昨年の札幌2歳Sでも、「球節の骨膜が痛いのかなと思っていたら、両方の前脚を骨折していた。レース中、いや、もうレース前にやっていたのかもしれません」という最悪の状況下のなか、5着の奮走なら、ミキオが「乗り味がすごくいいし、反応が抜群。前走のあの馬場で35秒フラットの末脚はそうそう出せませんよ。秋といわずここが勝負です」と事実上のV宣言も納得だ。
厩舎開業から4カ月。好きなワインから取り入れたワインレッドの厩舎服は重賞初勝ちに向けて芳醇さを増すばかりだ。