ドバイ観光の目玉はなんといっても豪華なホテルライフである。ドバイ市内だけで、20を越す5つ星ホテルが林立している。中でも群を抜いた豪華さを誇るのが「バージュ・アル・アラブ」(=写真)だ。
アラビア湾に作られた人工島に立つ高さ321メートルのホテルで、その姿はアラビア海を帆走する船の帆を思わせる優美なものだ。
2006年、このホテルはワールド・トラベル・アワードで世界一のホテルと称賛され、以後自ら“7つ星ホテル”と称している。世界一のゴージャスなサービスを提供するため、さまざまな工夫を凝らしている。
エントランスを入ると壮大な吹き抜けに驚かされる。その装飾は本物の金をふんだんに使った豪華なものである。客室はメゾネットタイプ。ソファーやベッドなどの調度品はアラブの王侯貴族のそれと同じもので、すべてがスイートルームとなっている。ライトアップされたホテルの夜景は、絢爛(けんらん)豪華なアラビアンナイトの世界そのものだ。
観光客を魅了するのは、ショッピングもそう。市内には建築中を除いて46ものショッピングモールがひしめき合い、巨大なものだけでも15を数える。世界中のブランドというブランドが勢ぞろいする。カジュアルブランドも多く、あらゆる種類のショッピングニーズに対応している。レストランや映画館の併設は常識。中にはテーマパークや博物館を併設している施設さえある。
モール・オブ・ジ・エミレーツは、なんと内部に人工スキー場を備えており、雪のない中東では人気を集めている。
「街中がタックスフリーショップなの。パスポートを提示するなど面倒な手続きが一切ないのが魅力」と日本人女性客は言い、さらにこう続ける。
「年に数回あるショッピングフェスティバルのディスカウントは世界一。シンガポールやハワイの比じゃない」
確かにハワイのデューティーフリーショップも多くの日本人観光客を飲み込んでいるが、品揃えには限界があるし、品物は空港での受け取りになる。ヨーロッパでも出国時、返金される国があるが、物品購入のときに書類を作成してもらう必要があり、無税対象商品が限られている。さらに申請に手数料を取られるなど、手間がかかる。
ドバイには、元々消費税はなく、物品購入には一切、税金がかからない。日用品もすべて無税なのだ。
ドバイは、女性天国?
豪華なスパの数々。世界中のすべての国の料理が楽しめるからだ。また、服装がいい例で、イスラムの戒律がもっとも緩いことでも知られる。
男性にも少しだけいいことがある。ホテルのレストランではどこでもアルコールが楽しめる。隣国アラブから、アルコール目当てに観光客が集まってくると陰口が叩かれるほどだ。
さまざまな逆風にさらされているドバイだが、夢を具現化する集客力は衰えていない。