「実は、日本の宇宙開発における技術は世界でもトップクラス。唯一立ち遅れているのが打ち上げ技術そのものなのです。これは第2次世界大戦に敗北した日本が航空開発に大きな制限を設けられたのが原因。打ち上げ技術が立ち遅れてしまっているだけに宇宙開発に未熟な印象がありますが、実際は、国際宇宙ステーション、スペースシャトルなどNASAの新技術には非常に多くの日本技術が関与しています」(米国で宇宙開発に携わる日本人エンジニア)
そして、今回のエンデバーの打ち上げでは、純国産の宇宙ステーション「きぼう」が装着され日本の宇宙ステーション開発の第一歩が踏み出されるわけだが、この「きぼう」の実験には国際的に非常に多くの注目が集まっている。
「その期待度といったら、日本人の関心をはるかに超えるものです」(同)
今回のスペースシャトルの打ち上げは、日本でも日本人宇宙飛行士が搭乗することで、それなりの関心は持たれている。だが、海外では国際宇宙ステーションの開発にようやく日本が本格的に加わるということが想像以上に歓迎されている。海外の研究者たちが、そこまで歓迎するほどの日本の技術とは何なのか?
「実はそこの部分に関しては私たちでも詳細を把握しきれてはいないのです。今回の打ち上げは公開されている情報も多いのですが、一方で伏せられている情報も非常に多い。人間が宇宙に移住するための基幹となる新技術が搭載されているとうわさする研究者もいるほどです」(同)
どうやら日本の技術が本格的に国際宇宙ステーションに加わるという事実が様々な憶測を呼んでいるようだが、そこに政治的な思惑を絡めると事はそう単純ではないようだ。
「実は先日中国の国防費が前年比17.6%増の4178億元(約6兆700億円)と発表されました。2年連続17%伸び率、03年から平均15%づつ国防費が拡張していることになるのですが、アメリカ国防省によるとこの発表の信頼性は乏しく、最低でも倍、最大で15兆円が国防費に割かれているという報告書を発表しました。その闇に隠れた莫大な国防費の一部がミサイル開発であり宇宙開発に費やされているのです。中国に対する脅威…これが裏返しとなって日本への期待になっているのではないでしょうか?」(経済アナリストK氏)
やはり、ここでも出てくる中国の影。日々躍進する中国の成長がどうやら本格的に脅威へと変わりつつあるようだ。
「一部研究者の間では米中の宇宙開発戦争が日本の加入により新しい段階に突入したとささやかれています」(同)
確かに、今回のスペースシャトルの打ち上げではニュース映像に制限がかかるなど、いつもの打ち上げに比べ新技術に対する配慮が多くなされている。それが憶測に拍車をかけているようだが、宇宙開発は人間の未来にとって必要な開発であり、また夢でもある。争いではなく国際協調を基本に取り組んでもらいたいものだ。