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怪談作家 呪淋陀の怪奇エッセイ 進化する都市伝説:ピアスの白い糸は本当!?

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画像はイメージです。

 「昨日、女子高生から聞いて来たばかりの話です…」
 M氏は語り始めた。

 「これは彼女のクラスメイトの身に起こった本当の話です。その女の子は高校に入ってすぐ、耳にピアスの穴を開けたんです。少し大人っぽい事をしたかったんでしょう。しばらく嬉しそうに色んなピアスを耳に飾ってたのですが、ある時から妙に耳たぶが痒くなってきた。ある夜、鏡で耳を見たんです。すると赤く腫れた耳たぶのピアス穴から一本の細い白い糸が垂れていた。邪魔だと思った女の子は、その白い糸を引き千切ったんです。さて、その後どうなったと思いますか?」

 −−もう予想がついてしまった。有名な都市伝説『ピアスの白い糸』の話ではないか。
 ピアス穴から出た白い糸は実は視神経で、うっかり引き千切ったために失明してしまうというものだ。

 「白い糸を引き千切った後、不思議と痒みが治まったので女の子はそのまま眠りました。翌朝、目覚めた時。何と女の子は今までの記憶全てを失っていました。そして自分が何者かもわからなくなっていたんです。女の子は今も病院に入院中だそうです…」

 予想外のオチなので驚いた。このように都市伝説はとは語り継がれ、時代と共に進化していくのだろう。
 『ピアスの白い糸』は、1980年代から流行り始めたものだ。
 しかしこの都市伝説、はたして本当なのだろうか?
 視神経は眼球の後ろから脳に向けて伸びているため、耳には視神経自体が通っていない。耳には体中のツボがあるという説から、目のツボにピアスで穴を開けると失明を連想させた等々。いずれにしてもピアスの穴を開けて失明するとはありえない話だ。

 実際に筆者は耳たぶから白い糸が出てきた経験がある。
 昔、耳たぶの中にこりこりとした石のようなしこりが出来た。
 押してみると中から白い糸状のものがにゅるにゅると出てきた。
 それは、にきびのような余分な脂の塊から出た脂分だった。
 恐らくそれが白い糸の伝説の正体なのだろう。

 福耳と言う言葉があるように、耳たぶは特に金運に関して重要な意味を持つパーツだ。ピアスは、人為的に穴を開け装着する。そのような穴は風穴といわれ、運気が流れ出てしまうとも言われる。だから穴を開けたら塞ぐ意味も込めて寝る時やバスタイム以外はきちんとピアスをつけた方が良いらしい。大ぶりで目立つタイプのピアスでも福耳効果が出るそうだ。

(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ)山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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