同紙には、リャン・スンジン社長のコメントも紹介されており、それによると《黄金野商店は、朝鮮労働党の愛民思想の具現であり、カネ儲けのためではない》と断言している。
平壌中心部にある店の場合、営業時間は朝6時から夜12時までの18時間。品ぞろえは、生鮮三品以外に手袋やマフラーなど防寒着も販売しているという。
「いずれも最近建設の進んでいる商業地区に隣接する場所にオープンしています。市民生活を支えるチャンマダン(闇市場)をライバル視し、近い将来は宅配や移動販売、さらにはクリーニングの受付や飛行機、列車のチケット販売といった日本のコンビニ流のサービスを行うようです。今春までに平壌を中心に20店舗、さらに全国に100店舗をオープンさせる計画ですが、飢饉が頻繁に起こる北朝鮮で長時間営業に耐えられるような流通網が構築できるとは思えません」(北朝鮮に詳しい大学教授)
最近は欧州企業の投資が増え、財政的余裕が少し出てきたといわれる北朝鮮は、平壌を中心に大規模な商業施設を建設し始めている。
「コンビニのオープンは市民が貯め込んでいる外貨をチャンマダンでなく商業施設に落とさせ、消費行動を国が管理するのが目的。しょせん“ショールーム”である平壌におけるパフォーマンスにすぎません」(同)
愛民思想では、メシは食えない!