「東京都慰霊堂」は、横網町公園(墨田区横綱2)にある。大正12年(1923)に起きた関東大震災(マグニチュード7.9)による遭難死者の遺骨を納め、あわせて東京大空襲による殉難者の遺骨も安置している。
横網町公園には、「復興記念館」もある。関東大震災から得た教訓を後世に伝えるため、昭和6年(1931)年に建設された。
「復興記念館」は、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震後も、開館している。職員によると、11日の地震発生直後は来館者が減ったが、少しずつ増えているという。
「復興記念館」館内では、資料を用いて震災の教訓を伝えている。
写真資料では、壁の窓枠から反対側の空が見える「焼け跡の両国国技館」や、和服の女性や子どもらが消息札を見つめる「東京駅前交番の消息札」などが展示されている。大坂毎日新聞「9月3日/一面見出し:火の海を踏んで脱出」、神戸新聞「9月5日/一面見出し:義を見て為ざるは勇なき也」ら関東以外の新聞のほか、「海外諸国からの救援状況」「国内各地からの救援状況」もパネルで紹介している。屋外ギャラリーでは、車体が消失しシャシーだけが残った自動車の焼骸や、鉄柱の熔塊が展示されている。パンフレットでは、上野公園の西郷隆盛像に「尋ね人」の札が貼られる様子などが紹介されている。
横網町公園周辺では、「旧安田庭園」が、園内一部が破損したため閉館している。3月15日から、企画展「芝・増上寺〜秀忠とお江の寺〜」や特別展「五百羅漢−増上寺秘蔵の仏画・幕末の絵師狩野一信」の開催が予定されていた江戸東京博物館は、空調設備らの修繕のため、4月末頃まで臨時休館となっている。(竹内みちまろ)