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ダイオライト記念は何かが起こる!? もはや超人の領域に達した的場文騎手に迫る

 “大井の天皇”と称えられる的場文男騎手(大井・松浦備厩舎)は、すでに生身の人間を超えた存在じゃなかろうか?その思いはこの1年で確信にかわった。
 昨年の帝王賞だった。大井からJRAに移籍したボンネビルレコードと元主戦のコンビ復活GI(JpnI)制覇は大井競馬場に盛大な的場コールを巻き起こした。この記憶に鮮明な勝利の影には、彼にしかできない匠の技があった。
 帝王賞の当日、本番直前のレースで彼は中団からインを突いて勝利した。「いつもは内側の砂が深いけど、あの日は平均だった。前のレースで確かめたんだ」その計算の下、まったく同じコースをたどり、かつてのよき相棒を栄光のゴールへ導いた。
 「的場が乗れば馬が動く」。豪快な追いっぷりに、ファンや関係者はいつのころからか、こう口にするようになった。星降る鮮やかな赤色が馬上で大きく躍動する瞬間、身も心もわしづかみにされ、気づくと全力でさけんでいる。そんな手に汗握る攻防を演出する独特な騎乗スタイルはズバリ、「完全に我流。ズルい馬がどうしたら動くか、自分なりに追求しているうちに今の形になったけど、前はもっと動いていたんだよ」と笑う。

 衝撃の帝王賞から8カ月余り。今週は、あの名コンビがダイオライト記念に“降臨”する。「距離実績もあるし、テンに無理しなければ終いは切れるからね。一発あるよ」とニヤリ。帝王賞の再現を狙う。
 昨年は落馬事故で人生で一番の大ケガを負った。「内臓の出血がひどくて1回死んだと思ったよ。でも、半分になった腎臓がその後、少し大きくなって医者もビックリしてたね」
 超人的な回復力で2カ月後の復帰第1戦では、あっさりと勝利を挙げた。「5500勝は宿題だし、“大井の七不思議”といわれる東京ダービーも制覇したい。ダービー17回で2着8回ならよくやったと思うけどね」
 20年連続を含む21回の大井リーディング、多くの名馬とともに地方競馬の歴史に名を刻んだ彼は、もはや大井の守り神?でも、迫力がありすぎるから「大魔神」かなとも思う。

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