前半では、「木から落ちない日本猿」というネットユーザーから寄せられた「カップうどんに青虫が混入していた」という証言を、北川演じる東雲樹が取り上げることに。しかし、「木から落ちない日本猿」を取材したところ回答がしどろもどろだったため“フェイク”の可能性が浮上した。
さらにアメリカのニュースサイトに、カップうどんの製造元「テイショーフーズ」の労働環境を問題視するネット記事が出た。「木から落ちない日本猿」が「テイショーフーズ」を炎上させようとした理由と何らかの関係があるのでは、との予想も持ち上がったが、実はこのサイトは本家のサイトではなく、何者かによって作為的に作られたフェイクニュースのサイトだった――という展開が描かれた。
放送後、視聴者からは「ネットにあふれてる情報が全部正しいと思ってる人は見るべきニュース」「このドラマ、耳が痛いネットユーザー多いんじゃないかな?」「フィクションとは思えないほどリアル」と評価する声が集まった一方で、「フェイクニュースってネット上のデマってことじゃないけど…」「フェイクニュースってマスコミが発信するものを揶揄して言ってたんだよ」「もしかしてNHKが意味をすり替えようとしてる?」といった声も続出している。
「もともと“フェイクニュース”は、メディア側が虚構のニュースを報道してしまうことを揶揄する言葉でした。しかし、本作ではネットユーザーが同じネットユーザーを翻弄するものと限定して描いていた。これに違和感を抱いたネットユーザーが多かったようです。今回、テレビメディア側がネット社会を批判する形になったため、テレビ側が『フェイクニュース』という言葉が生まれることになった原因をネット側に押し付けようとしているのでは?との声が噴出してしまいました」(ドラマライター)
そのほかにも、作中ではネットメディアについて、「取材コストをかけることができない」「PV数ばかりを気にする」「ライターが付けたタイトルを他のライターが書き換える」ということがネガティブに描かれていた。これにも「新聞と違うので切り口を変えるのは当たり前」「記事タイトルをよりPVの取れるタイトルに改編するって普通だけどね」という声もあった。
ツッコミどころはあるが、ネット社会に厳しい切り口で踏み込む本作は異色のドラマ。後編も見逃せない。