強行軍もまったく意に介さない。この夏、新潟3戦目を迎えるサンデージョウが、さらに調子を上げている。
その勢いを印象づけたのが、8月26日に美浦・南Wコースで行われた1週前追い切りだ。このコースでは珍しく6Fの長めから追われ、82秒3→66秒5→51秒6→38秒7→12秒8の好タイムを余裕でマークした。
しかも、併せた3歳1000万下のタマニューホープを2馬身突き放した。この時期の2歳牝馬に、これだけハードな調教を課せるのだから、相当デキがいい。タマの背中からサンデーの動きを見守った馬淵助手も、「すごいデキだね。ここにきて、状態は一段と良くなっている」と力強さに目を丸くしたほどだ。
新馬戦1着に続きダリア賞は3着。プリンセスメモリーにあと一歩及ばなかった。しかし、これにははっきりした敗因があったという。
「直線で前が壁になってね。脚を余して負けてしまった。直線は突き抜けそうな勢いで伸びていたし、あの不利がなければ勝ち負けになっていたでしょう」と同助手は悔しそうに振り返った。
今回は初めての1600メートル。前2回から1Fの距離延長となるが、むしろプラスに出そうだ。「掛かる馬じゃないから。さっと先行できて、終いも切れる。こなせるはずだよ」とうなずいた。
今の新潟は馬場の内が荒れてコース取りが難しい。それだけにこの器用さは大きな武器になる。加えて父グラスワンダー、母の父サンデーサイレンスの配合は、昨年の覇者セイウンワンダーと同じ。血統も魅力に映る。
普段はヤンチャなお嬢さん。激しい気性に手を焼くこともあるが、「馬場に出てしまえば乗り役さんに従順で、すごく乗りやすい」という。
オンとオフの切り替えができて、自分の仕事はきっちりこなす。「普通に走れば、結果は付いてくると信じています」。完成度の高さで、混戦から抜け出すつもりだ。