もしかしたら女王ウオッカは、能力減退しているのでは…と心配しています。というのも、前走の毎日王冠で8歳馬カンパニーに明らかな完敗劇。前半4Fが48秒0で、5F通過が60秒ジャスト。このクラスでは超スローペース。それでいてラストの3Fを33秒8。3着のハイアーゲームが33秒2で、5着のサンライズマックスの33秒4よりも明らかに劣るのです。
ちなみに、昨年のウオッカは毎日王冠で今年同様に2着だったとはいえ前半Fを59秒3で逃げてラストは33秒8。1分44秒6と、今年よりも1秒近い速いタイム。その勢いで天皇賞も見事に制しました。スローで逃げながらラスト33秒8の今年の内容が、ウオッカにしてはあまりにも平凡。年齢か、体調か、天皇賞1番人気馬の不安が払拭できません。
「天皇賞・秋」は昨年大変な記録が出ました。1分57秒2というすごいレコード。女傑ダイワスカーレットがマイル戦並みのペース(1600メートル通過1分33秒3)で飛ばしたもので、それでハナ差2着の底力には驚嘆させられます。
その天皇賞は優勝したウオッカから5着のエアシェイディまで、ハナ+クビ+ハナ+クビ差の大激戦。枠順や展開ひとつで結果が違っていたはずです。
その中にカンパニーがいました。枠順が致命的とも思えた16番枠(17頭立て)。出負けして後方から2番手。4角も16番手。仕方なく馬込みをかき分けるように、ゴール直前ではダイワスカーレットとディープスカイの窮屈な間に割って入り、馬体を並べてゴール。当時、横山典騎手は「直線で追い出したときに目いっぱいアクセルを踏めていたら、何とかなっていた」と悔しがっていました。
2年前、福永騎手を配したカンパニーは、直線凄い脚で接近したところを、逃げたコスモバルクが進路を妨害。無念の3着でした。
迎えて4度目の天皇賞・秋の挑戦。8歳馬ながら前走の毎日王冠でウオッカを、ラスト33秒0の伝家の宝刀で一刀両断。今年は枠順が3番枠とはラッキー。混戦に滅法強く、自在に動ける器用さ。さあ、念願の盾獲りに王手です。