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「黄金のタイガーマスクで戦いたい」“世界マスクマン・トーナメント”は船木ブラック・タイガーJrが優勝!

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初代タイガーマスク・ブラックタイガーJr(船木誠勝)

<12月6日 後楽園ホール>

 “過激な仕掛け人”新間寿がプロデュースし、初代タイガーマスク・佐山サトルが認定する「原点回帰プロレス」の第5回大会が行われた。今年の最後の興行は、世界マスクマン・トーナメントの優勝者を決める2018年の締めにふさわしい大会となった。

 前大会で決勝進出を決めていたブラック・タイガーJr.は、10月24日の会見で自らマスクを脱ぎ、正体は船木誠勝であることを明かした。「ジャパニーズスタイル、日本式の試合でルチャと闘いたいと思います」とコメント。決勝はあくまでもブラック・タイガーJrとしてマスクを被るが、日本式とミックスしたファイトスタイルになりそうだ。

 その相手を決めるドス・カラスJr.対イホ・デ・ブラック・タイガーは2試合目に組まれた。大型マスクマン同士の対戦は序盤、お互いの力量を図るかのようなグラウンドの攻防が続く。試合開始5分、ドスカラスが場外にトペ・スイシーダを放ち試合が動き始めた。対するタイガーもセカンドロープからの雪崩式ブレーンバスターで反撃。さらにマスク剥ぎを繰り返す暴挙に出た。

 その後もお互い丸め込みを試みるなど、一進一退の攻防を繰り広げたが、ドスカラスを持ち上げたタイガーの足がレフェリーに当たってしまうアクシデント。レフェリーが悶絶している間にドスカラスは自らマスクを脱ぎ、顔を覆いながらタイガーを指さし"マスクを剥がされた”とレフェリーに猛アピール。それを信じたレフェリーは、タイガーの反則負けを裁定。意外な形でドスカラスが決勝進出を果たした。

 ブラック・タイガーJr.とドスカラスJr.の組み合わせとなった決勝戦。今日2試合目のドスカラスに対し、ブラックタイガーは序盤、スタミナを奪うかのようにじっくりグラウンドで攻める。対するドスカラスも本場メキシコのジャベで対抗。タイガーのキックを腕で振り払うなど、持ち前のパワーを発揮。さらに走り込んでのニーやスピアーなどで軽量なブラックタイガーを攻め込んでいく。しかし地力で勝るブラックタイガーは、切れ味鋭い浴びせ蹴りやハイブリットクラスターを狙った。「日本式で戦う」との宣言通りのファイトを展開し、最後は胴締め式肌締めでフィニッシュ。見事優勝を果たした。

 リング上でトロフィーと"黄金のタイガーマスク"を佐山サトルから贈られた船木ブラック・タイガーJrは「半年かけてブラック・タイガーJr.としてやってきたが、いろんな意味でプレッシャーだった」と語ると、いきなりマスクを脱ぎ「すごくさっぱりしました」と心境を口にした。「33年前、15歳の時、新日本プロレスに入門したときには、初代タイガーマスクが引退した後だったので、2代目タイガーになりたいと思ったが、スパーリングで夢は一瞬でなくなった」と、タイガーマスクに憧れていた過去を明かした。

 会見場に場所を移し、黄金のマスクを見つめ「本当のタイガーマスク。本当にうれしい。入門したときの船木優治に言ってやりたい。『おまえいつかタイガーマスクになれるぞ』って」と喜びを語ると「これ、被れますね」と口にし、黄金のタイガーマスクに変身。「次はこのマスクで防衛したい。一回だけ黄金のタイガーマスクで試合してみたい」と、まるで少年に戻ったような表情で夢を語り、会場を後にした。

取材・文・写真/萩原孝弘

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