それまでの最多記録だった6105本(2017年)を大幅に塗り替える、6776本もの本塁打が飛び出た今シーズンのメジャーリーグ。急激な本数の増加を受け、アストロズ・バーランダーら一部投手からは「飛びやすいボールに変わったのでは?」といった指摘がシーズン中から上がっていた。
現地時間11日(日本時間12日)に会見を開いた大リーグ機構は、ホームラン増の理由は打球に角度をつけてフライを上げることが有効とする打撃理論“フライボール革命”の影響で、各打者の打撃に変化が生じたことによるものとの見解を示した。
一方、ボールについては縫い目の高さがわずかに低く、それにより空気抵抗が減っていたことを公表したものの、これはあくまで製造上の誤差で意図的なものではないと主張している。
ダルビッシュは、リーグ側の発表内容を伝える記事を執筆した現地記者のツイートを引用した上で、「2016年以前の投手の打撃練習でホームランなんてほぼ出なかったのに、以降はほぼ誰でもホームランになっている」と、近年は打者だけでなく投手が打った打球の飛距離も伸びたと感じていると告白。
また、「ドジャースに行ってから試合で打ったことすらない左打席で打ってもセンターにホームラン打てた」と、自身も打撃練習の際に本来の右打席ではない左打席で本塁打を打ったことがあると明かし、最後は「なーぜー?」とリーグ側の見解に疑問を突き付けた。
今回のツイートを受け、ネット上のファンからは「本当に飛ぶボールに変わってるなら、投手にとっては死活問題になる」、「日本でも昔違反球が問題になった(※2013年)し、アメリカで同じようなことがあっても不思議じゃない」、「本塁打や得点が増えれば、平均観客数の減少(※4年連続で減少中)に歯止めがかかると考えているのかも」といった反応が多数寄せられている。
また、ダルビッシュが自身のユーチューブチャンネルで頻繁に動画を公開していることもあってか、「近々飛ぶボールについてさらに踏み込んで語った動画がアップされそう」、「昔の球と今の球の検証動画作ってくれたら絶対見るわ」と期待を寄せるファンも複数見受けられた。
“飛ぶボール”ではないとしたリーグ側に対し、自身の経験も交え疑問を呈したダルビッシュ。今後他のメジャー選手の中から、同調の声を上げる選手は現れるのだろうか。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
ダルビッシュ有の公式ツイッターより
https://twitter.com/faridyu