この公園は、幕末までは松平肥前守や長州藩の毛利家などの屋敷地であった。しかし、江戸幕府崩壊とともに取り壊され、明治4〜28年は陸軍近衛師団の練兵場になっていた。
その後、明治36年に本多静六によって、当時で16万平方メートル以上の敷地に作り変えられ、日本で初めてドイツ式の「洋風近代公園」として開園し、現在に至る。
日比谷公園は、大変自然の多い公園であり、マイナスイオンがたくさん出るとされ、緑に囲まれた公園ではプラボノ効果も得ることができるという。人間関係やストレスで疲れ果てた会社員は癒やしを求めてこの公園に集まってくる。ある意味、都会の企業戦士に休息を与えるパワースポットとでも言おうか。
特筆すべきことは、日比谷公園には不思議な生物が潜んでいることである。日比谷公園内にある、鶴の噴水で有名な「雲形池」の中にはなんと、幻の巨大魚が生息しているのだ。どうやら、ペット業者が持て余し、勝手に放流していったとみられる。中国産の魚だとも言われる。
集まってくる会社員からは「ヒッシー」の愛称で愛されている様子で、子分のように鯉を引き連れて悠々と泳いでいる。ちなみにこの「ヒッシー」に付き従う鯉たちは、もともと田中角栄が飼っていた鯉だという。噂では娘の田中真紀子が相続税を払うときに物納したのが、この鯉だとも言われている。尻尾を振る姿を見て、筆者はいかにも角栄さんの手なずけた鯉だと思ってしまった。
なお、この「ヒッシー」は一時期、行方不明になったと大騒ぎになったことがある。怪獣やUMAが大好きな某国の将軍さまの指示で工作員が捕獲したとか、動物好きなヤンキーが連れ去ったなどと噂されたが、実際は人目につかない場所で半冬眠していたらしい。かつて筆者も某番組で寒い時期に訪問したことがあったが、姿さえ見ることができなかった。残念なことである。
(山口敏太郎)