やはり斤量差が決め手だったと現実的なことを言いたくないのがロマン志向の競馬ファンだろう。この日のローマンレジェンドは今年の帝王賞馬、ゴルトブリッツのファンの期待も背負っていたのである。エルムSの前日、ゴルトブリッツが腸捻転のために亡くなるという悲しい知らせが届いた。ダート新勢力の代表格とも言うべき馬であり、JBCやジャパンカップダートなどの大舞台で更なる活躍を期待されていただけに非常に残念である。そのゴルトブリッツとローマンレジェンドは同じスペシャルウィーク産駒。競馬では父が同じというのはよくあること。しかし、ゴルトブリッツへの想いをローマンレジェンドに託したいというファンは多く、僕もその一人だった。熾烈な叩き合いの決め手はゴルトブリッツへの想いを託したローマンレジェンドへの声援だったかもしれない。
今のダート界の中心は7歳のスマートファルコン、エスポワールシチー、そしてトランセンド、ワンダーアキュート、テスタマッタなど6歳世代。年齢を踏まえるとそろそろ世代交代が起きてもおかしくはない。その予兆が見えたのが今年の帝王賞。5歳馬ゴルトブリッツがエスポワールシチーとフェブラリーSを制したテスタマッタを相手に完勝。ローマンレジェンドがエスポワールシチーを下したことも世代交代の予兆と見ることができる。そしてさらに、レベルが高いという声も多い3歳ダート馬たちもこれから新勢力に加わってくる。この秋は間違いなく新勢力と現勢力と死闘が繰り広げられていくだろう。今年のダート界もやはり面白い。
〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。応援宜しくお願いします! Twitterで競馬ネタをつぶやいているのでチェックして頂けたら嬉しいです! アカウントは「@minoru1202」