日本人選手のなかでも、特筆すべき活躍を見せたのは2年目のダルビッシュ有投手(27=レンジャーズ)。
開幕から安定した投球を続けたダルビッシュは、32試合に登板、209回2/3を投げ、13勝9敗、奪三振277、防御率2.83で、勝ち星(昨季16勝)を除き、すべての部門で昨季の成績を上回った。防御率に関しては、昨季の3.90から1点以上も下げ、相手に得点を与えない投手に変貌を遂げた。
奪三振277は2位に37個の大差をつけて、堂々、ア・リーグの奪三振王に輝いた。同タイトルを日本人が獲得したのは、95年(ドジャース)、01年(レッドソックス)の野茂英雄以来、12年ぶり3度目で、史上2人目の快挙。
ダルビッシュは「三振はあまり興味ないけど、何かで1番になることはいいことだと思う。来年以降、これを励みにして頑張っていきたい」とコメント。
奪三振王となったダルビッシュは、ア・リーグの最優秀投手の最終候補3人の中の1人に選ばれた。受賞者は11月4日に発表される。
勝ち星は伸びなかったが、これはチームの打力が昨季より落ち、援護がなかったことが原因。ダルビッシュが先発した試合で、チームが0-1で負けた試合が4つもあるという珍記録もつくった。
ロン・ワシントン監督は「目を見張るような成績だった。経験を積んで、より高いレベルで来年を迎えると思う」と話し、終盤に本来の投球ができなかったことについて、「確かに何か(問題)を抱えていた。だが、彼は一度もそれが問題だとは言わなかった。(具体的には)言えない」と故障を抱えていたことを明かした。
チームはア・リーグ西地区2位で、ワイルドカードの残り1枠を懸けたレイズとの決定戦に敗れ、プレーオフ進出を逃した。ダルビッシュは「野球なので勝つ、負けるがある。残念な気持ちもありますけど、仕方ない」とコメントした。
タイトルホルダーとなったダルビッシュの、3年目のさらなる飛躍に期待したい。
(落合一郎)