ただ、太田光は百田氏を「永遠のハゲ」と揶揄しながらも、『永遠の0』(太田出版)を読み感動し、さらに『日本国紀』も読んで、「いい本だと思った」と意外な感想を述べた。
太田は「百田さんの思想信条みたいなものが入ってくるんだけど、すごく心打つのが、聖徳太子の『十七条の憲法』の一文『和をもって尊しとなす』について、『天皇制よりも仏教よりも優先させた聖徳太子は素晴らしい』といった記述がある」と具体的な感想を述べた。
太田は芸能界随一の読書家として知られる。所属事務所のタイタンの名前も、SF作家、カート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』(ハヤカワSF文庫)から取られている。
さらに、近代日本において日本が軍事国家化する中で、「指導者が賢くても末端の兵士が、戦争という異常事態で何をしていたのか。虐殺したりレイプしたりそういうこともあるわけ。俺は自分も戦場にいたらそうなるかもしれない。父親ら上の世代がやったことを、今の時代はけしからんといえるけど、その時代に戦場でやってしまったことは、人間としてそういうこともあっただろうと思う」と踏み込んだ意見を述べた。「末端では異常事態が起きていたと考えると、百田さんが『小説や書物ではすごく冷静に扱わなきゃ』と言ってるのに、ツイッターではお前が末端ではひどいことやっていたというのを証明しちゃっている」と皮肉った。ただ、「それはもったいないような気がしてしょうがない」とも述べており、太田は百田氏に一定の評価をしているようだ。
太田は百田氏と一度も会ったことがないという。これを受け、ネット上では「百田vs太田のラジオ対決も見てみたいな」「百田は放送作家でもあるから、両者のテレビ論も聞きたいところ」といった声が聞かれた。思わぬ直接対決が実現するかもしれない。