やはり魔裟斗の最終戦の相手が変更になった。今年のGPを制したペトロシアンに対し、試合後リング上で公開挑戦状をたたきつけた魔裟斗だったが、この日はそのペトロシアンが右手の中指骨骨折で全治3カ月の負傷をしてしまったため、代わりに準優勝のサワーと3分5Rで闘うことが決まった。
対戦相手が変更になりながら当のカリスマに不満はない。サワーは過去2度対戦しながら一度も勝ったことのない宿敵。会見でも「最後にサワーとやること、これはストーリーなんです。俺の筋書き、シナリオなんです」「絶対にKOで勝って2009年12月31日をもって俺の時代は終わったと宣言したい」などと、すでに宿敵撃破での有終の美を思い描いている。
だが、その一方で魔裟斗の引退にはまことしやかにうがった見方も出てきている。某格闘技プロモーターの話。「魔裟斗の言うその筋書きの先にはさらなるシナリオがある。確かに時代は終わるかもしれないけど、これで100%最後とは言い切れない」。年内いっぱいで現役を退くカリスマの“引退撤回アングル”があるという。
前出関係者が続ける。「MAX最強の王者ペトロシアンと闘わずして引退すれば、引退後に復活するときの良い口実になる。それに魔裟斗が引退を発表したのは4月1日。エイプリルフールなんですよ。やっぱり引退は嘘でしたってことも十分にアリ。つまりこれは計算しつくされた反逆のカリスマの壮大なアングルなんですよ」
魔裟斗の宿敵とのラストファイト。果たしてその先にはどんな結末が待っているのだろうか。
◎先行報道に「待った」
大みそかのビッグマッチを控えるK-1とDREAMから報道陣に異例の通達だ。12日に一部報道で大みそか「Dynamite!!」と「戦極」の合同興行が報じられたが、この日の会見後にK-1谷川貞治イベントプロデューサーが「現時点では何も決まっていないです」と事実関係を否定。そればかりか「先走らないで下さい」と“飛ばし記事”に待ったをかけ、先行報道への自粛を訴えていた。