過去に愛・地球博で展示されたユカギルマンモスが再来日するほか、日本初公開の標本も多数展示されている。
マンモスは約500〜400万年前から氷河期の地球を闊歩していたゾウの一種である。なお、よく普通のゾウより巨大化して描かれることが多いが、サイズは普通のゾウと同じぐらいだ。恐らく、体に比べて不釣り合いに大きく立派な牙を持っていることから、普通のゾウに比べて体も大きいと連想されてしまうのかもしれない。
現在、凍土から発見された氷漬けのマンモスの死骸から抽出したDNAを用い、クローン技術によってマンモスを復活させられないかとする研究プロジェクトが行われており、日本でも近畿大学が最先端の生命科学研究を用いてマンモスの生態に迫ろうとしている。このような絶滅してしまった生物の研究については、先端医療や地球環境問題などの分野に活用できる可能性が考えられている半面、絶滅種を復活させることについては、倫理面の問題や生態系への影響などが問題視されてもいる。
さて、生物学上は氷河期末期の気候変動により衰退、絶滅への道をたどったマンモスだが、実は今もロシアに広がるシベリアの台地で生き残っているという伝説が、まことしやかに囁かれているのだ。
古くは1580年に毛の長いゾウの目撃証言が、1889年にはアラスカで体長9メートルものゾウが撃ち殺されたという話が残っている。そして、1943年にソ連軍の捕虜になっていたドイツ軍カメラマンがシベリアへ移送中に撮影したものとされる動画が近年インターネットに公開され、話題となった。さらに、2012年にはシベリアのチュクチ自治区で撮影されたものという、マンモスのカラー映像がネットにアップされ、話題を呼んだ。しかし、こちらの動画については、何者かがネットにアップされていた登山家のトレッキング時の動画に手を加えたフェイクであるとの結論が下っている。
果たして、シベリアの台地にマンモスは生き残っているのだろうか。多くの人々が「生きているマンモス」の調査にも、興味・関心を寄せている。
(山口敏太郎)