報道によると、火災があったのは摂津市鳥飼上のパチンコ店『パーラーミュージアム』。昨年8月30日未明に店内の警報装置が作動し、午前3時半ごろ警備会社が通報。約3時間後にほぼ消し止められたが、鉄骨2階建て延べ約千平方メートルを全焼した。
この事件に対しSNS上で「この店お客さんいなかったからなぁ」「保険金で新装開店」「自作自炎」「廃業ついでに大儲け」などと『パーラーミュージアム』の経営難による詐欺を決め打ちするようなコメントが多数上がっている。
実際、パチンコホールは全国的に見ても経営が厳しいところが多い。10年前に約1700万人もいたファン人口は今では約900万人までに減少。全国のホール数も約1万3000から約9000まで減少している。どの地域も少ないお客の奪い合いとなっており、強いホールは生き残り、弱いホールは淘汰されていく。特に都市部の駅前店よりも地方の郊外店の方が競争はシビア。新台が少ない、内装が汚い、玉が出ていないなどの悪い「レッテル」を貼られると、たちまち客が店から遠ざかり廃業へと追い込まれてしまうのだ。
今回放火があった『パーラーミュージアム』も郊外店。その周辺には大手チェーン店が2店舗ある。資本力のある大手チェーン店は新台の導入スピードの速さ、美しい内装やレストルーム、充実した休憩室、徹底した接客サービスなど、いずれも一級品だ。この大手チェーン店の存在は資本力がない店にとっては非常に驚異で、近くに出店されると、たちまち顧客を奪われてしまう。『パーラーミュージアム』も少なからずこの大波に呑まれていたのかもしれない。
経営難に陥った店はどんな手を使ってでも、利益回収に走りたくなるものだろう。今回の『パーラーミュージアム』の放火事件が経営難による保険金目当てなのかはいまだ不明だが、万が一そうだとしたら、このような事件が今後繰り返し起こってもおかしくない。