小沢氏がネットといえども「公の場」に姿を現すのは、田村亮子参議院議員の柔道引退会見の10月15日以来。そのあいだに民主党は対中外交や予算審議、事業仕分けなどで揺れていたが、小沢氏は菅政権の対応ぶりをこう批判した。「私が政府責任者だったら(衝突中国船の)船長を釈放しませんね。しかも、検察官が日中関係の政治関係を考慮して釈放したというのは本当にいけない。政府が毅然とした態度で釈放しませんというべきだった」
小沢氏はまた「何千年の歴史の中で中国の支配下に(尖閣諸島が)入ったことはない。中国にもははっきりと言っている」と胸を張る。これにはストリーム中継の視聴者も沸いた。応援コメントが相次ぎ、小沢氏も文字どおりの「ニコニコ顔」だった。
ネット上での人気上昇を狙ったこの生出演は、今回で5回を数え、アクセス数も着実に上昇している。15万アクセスを超える現象は、もはや政治ショーと化してしまっているのだが、裏をかえせば小沢氏側の情報戦略という見方も。
「参考人招致要請には応じられないという姿勢を見せておいて予算審議に揺さぶりをかけ、一方で動画サイトなどの、ある意味、オフレコっぽい舞台で持論を一席ぶってみせる。どうしたって国民の目は小沢氏へ向かう。よく練り込まれているという印象をうけますね」とは、ある政治ジャーナリスト。情報操作では小沢氏のほうが、ほかの国会議員よりも一枚上手だというわけだ。
小沢流のメディア戦略がいまのところ成功しているというわけか。