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最下位ターンのオリックス、防御率トップ“神童”山本由伸の貯金が浮上の鍵!

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山本由伸

 いよいよ15日からプロ野球後半戦がスタートする。西村徳文新監督のもと一気に若返った新生オリックスだが、交流戦辺りから打線に当たりが出てきたものの、序盤、中盤の貧打が響いて、83試合、36勝42敗5分け、首位ソフトバンクとは11ゲームの差で前半戦を最下位でターンした。チーム打率.234はパ・リーグ最下位。「アグレッシブ」をテーマに、走るチームをキャンプから目指したこともあり、盗塁数は劇的に増えて77とリーグ2位だが、防御率は中継ぎ陣や、“守護神”増井浩俊の不調が響いて、3.87とリーグ3位となっている。

 今シーズン、金子千尋(現 弌大)、西勇輝のツートップがチームを去った先発投手陣だが、山岡泰輔、山本由伸がこの穴を埋めている。開幕投手を務めた山岡は6勝とチームの勝ち頭、由伸は防御率1.92とリーグトップの成績で前半戦を終えた。特に先発に再転向した由伸は、プロ野球ファン全体が注目するピッチャーに成長した。本人は「準備していることに変わりはない」と話しているが、立場が人を育てるとは、由伸のような選手に対して使う言葉なのだろう。「自分が勝ってチームにいい影響力を与えられるようなピッチャーになりたい。そのためにも先発に戻りたい」と昨年から先発への思いを語り続けていた由伸は、今シーズン初登板で1安打ピッチングを披露するなど、来月21歳になる“神童”は「有言実行」を貫くことで、「勝つことだけを考えて」最少失点を心がけてきた。

 しかし、前半戦は味方の援護に恵まれず4勝4敗の成績。防御率ランキングを僅差の2位で追うソフトバンクの千賀滉大が、9勝2敗ということを考えると、「相手のピッチャーも良かった」とはいえ、防御率1点台の由伸に貯金が出来ないのが、最下位ターンの大きな原因と言ってもいいだろう。西村監督も「由伸が頑張ってるんだから、勝たせてあげなきゃダメ」と、野手陣に何度も苦言を呈し、由伸のローテーションを入れ替えるなど、何とか勝ち星を付けようとしているが、なかなか上手くいかなかった。後半戦は山岡がこのペースで勝ち続けて、由伸に貯金が出来れば、理想としている“ダブルエース”が確立される。

 主砲の吉田正尚、規定で打率.276の大城滉二、ルーキーの中川圭太が好調のまま前半戦を終えているだけに、特に由伸が先発の試合では、爆発的な援護に期待したい。由伸に貯金が増えればチームは必ずや浮上するはずだ。

取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ

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