「飲み会で知り合った男性とカラオケに行った時のこと。彼とはそこまで親しくない関係だったので、私はなるべく有名な曲を歌うようにしていました。とはいえ、私はマイナーな曲を歌われてもあまり気にしないのですが、彼は歌う曲がマニアック過ぎた。というか歌ですらなかったですね」
彼は大の鉄道オタクで、音楽にはまったく興味がない男性だった。そのため選曲したのは、鉄道系のチョイスだったという。
「彼がリモコンで曲を入れると、画面に表示されたのは、線路の映像でした。しかし、音楽はまったく流れず、環境音だけ。そして、字幕には『出発進行!』とか『まもなく新宿、新宿です。降り口は左側です』と電車で駅員さんが言っている言葉がそのまま再現されており、彼はそれに合わせて、ずっとアナウンスしているんです。駅と駅との間をそのまま完全に再現してあるので、普通の1曲よりも長かった気がします。というか、気まずい空気が流れていたので、余計に長く感じたのかもしれません」
一部では、鉄道ファンを中心にこのカラオケがブームになっているという。しかし、慣れない女性とのデートで、このチョイスをするのは控えた方がよさそうだ。
写真・matsuyuki