レッドディザイアで堅いと思われた前哨戦・ローズSは5番人気の評価。それが、終わってみればロスなくインを回り、従来のレコードを0秒4更新する会心の勝利だった。この結果には藤原英調教師も「こちらの想像以上に力があった」と感嘆する。
もともと完成度の高さは、ほか2頭のジェルミナル、ワイドサファイアと比べてもそん色なかった。「きついローテだった。無理してクラシックに乗せた」春でもオークス4着を筆頭に、まったく崩れていない。いわば夏場は、放牧で春の疲れを取り、秋はローズSから本番という算段を立てるだけでよかったのだ。指揮官は言う。
「あのレースで(計画通りに)ちゃんとやれば、いいパフォーマンスを見せられることが分かった」
前走後も順調にきている。「レコード決着の疲れで回復するのに少し時間がかかったが、今は何の問題もない」と言う通り、1週前は栗東Wコースを馬なりで6F80秒2、ラスト1F12秒6の好時計。使った効果か、さらに動きにシャープさが増している。
「展開には注文が付かない。今回は人気になるだろうけど、それに応えられるはず」
器用さが求められる京都の内回り。ブエナビスタの3冠を阻むのは、この馬かもしれない。
【最終追いVTR】鮫島騎手を背に坂路800メートル54秒0→39秒6→12秒4で駆け上がった。終い重点だったが、集中力が高く、脚さばきは実にシャープ。ラストは肩ムチ一発に鋭く反応して脚を伸ばした。前走激走の疲れは感じられず、好調をキープしている。