過去10年で1番人気が7勝、2着2回、3着1回と大活躍。さらに、1勝馬、重賞未勝利馬の連対はなし。データではこの馬の出番はなさそうだが、過去は過去、今年は今年だ。◎フィニステールで夢を買う。
戦績は5戦1勝だが、負けた4戦も中身は濃い。若駒S(4着)は間隔があいて重め残りのうえ、スローペース。直線は上がり3F34秒2とメンバー最速の脚をつかったものの、0秒1届かなかった。続く阪神の2戦は「エンジンの掛かりが遅い」(藤原英師)点を考慮され、2番手から積極的な競馬を試みたが、勝ちパターンに持ち込みながらゴール前、強襲にあって、いずれもクビ差2着の惜敗。
そして、悪夢に等しかったのが、前走の青葉賞。直線で抜け出しかけたところを他馬にぶつけられる不利。立て直して3着に突っ込んで出走権を確保したから良かったが、「一瞬、馬がジャンプしたほど」(同師)のロス。0秒2の着差からみても、まともなら勝っていたはずだ。
幸い、ダメージはなく、馬は順調そのもの。「それが一番。ダンスインザダーク産駒で無理せず成長を待ったのが正解。デビューしたころは歯がゆい競馬が続いたけど、ようやく素質に見合った体力がついてきた」と藤原英師は目を細める。実際、この中間のケイコの動きは目立っており、1週前に坂路で800m53秒3をマークすると、今週は終い重点に追われてラスト1F12秒1の鋭さで調教駆けする古馬にあっさり1馬身先着する抜群の動きを披露している。
「ダービーを目標にきて、予定通りメニューを消化できた。デキについては何の問題もない」と師は胸を張る。
格では見劣っても、他馬にはない成長力が魅力。さらに、2400mは<0110>、東京コースを経験し、長距離輸送を克服済みなのも強調材料になる。鞍上もフサイチコンコルドでアッといわせた暴れん坊将軍・藤田。直線勝負にかけるフサイチホウオーを尻目に、好位からの抜け出しが決まる。