今回の大阪大会について、KNOCK OUTを運営する株式会社キックスロードの花澤勇佑社長は「タイミング良く、サンテレビさんでの放送が4月から始まったことと、2020年の(東京五輪開催による)会場問題を今から考えて開催することになった」と説明。「地方大会として勝負できるほど甘くない。大阪大会も首都圏の大会と同じ大会としてレベルの高いクオリティを提供します」と意気込んだ。9月8日には2回目の大阪大会開催することも発表していることからも、KNOCK OUTの大阪大会開催に向けた本気度を感じる。
KNOCK OUTの小野寺力プロデューサーも「KNOCK OUTを大阪でも観たいという声も多くいただいていました関西より南にも強い選手はたくさんいるので、そういう選手をKNOCK OUTに上げていきたい」と大阪大会を開くメリットを強調した。KNOCK OUTは格闘技業界では選手によるチケットの手売りを禁止している。これは画期的なことだ。KNOCK OUT首都圏での開催にもかかわらず、旗揚げ時から全国から強い選手を呼び、リングに上げてきた。その中には関西の選手も多数いたことも、今回の大阪進出を後押ししたと言っていいだろう。
今大会には関西勢のレギュラーメンバーとして、山口兄弟から山口侑馬が、高橋3兄弟から高橋一眞と高橋亮が登場。そして6月8日の後楽園ホール大会から開催されるKING OF KNOCK OUTフライ級トーナメントへの出場が決まっているタネヨシホが、KNOCK OUTのリングで地元凱旋を飾る。
【全対戦カード】
①3分5R 61.5kg契約
“怒突き合いお兄ちゃん”高橋一眞 対 “ブレイブハート”茂木俊介
⓶3分5R 57.15kg契約
“不屈の闘牛魂”伊仙町典久 対 “流浪の狂華”Phoenixx祥梧
⓷KING OF KNOCK OUTフライ級トーナメント出場者決定戦 3分5R 51.0kg契約
“バトルシップ”山田航暉 対 “トップハイアー“高坂侑弥
⓸3分5R 52.1kg契約
“リトルサイボーグ”タネヨシホ 対 “勇敢者”MASA BRAVELY
⓹3分5R 55.5kg契約
“狂暴三兄弟次男”高橋亮 対 “THE CYCLONE”宮元啓介
⓺3分5R 64.0kg契約
“爆腕”大月晴明 対 “マッドピエロ”山口侑馬
セミファイナルには第1試合に登場する高橋一眞の弟であり、高橋三兄弟の次男・亮が登場する。亮は昨年12月、“SPEED ACTOR”小笠原瑛作と昨年12月の両国大会で対戦。KNOCK OUTでは全試合KO勝利を収めており、那須川天心戦実現にリーチをかけていた小笠原からダウンを奪い、勝ちに等しいドローに持ち込んだ。対する宮元啓介は、KNOCK OUT旗揚げ時からのレギュラー的な存在。両選手とも華があり、那須川天心の階級であるスーパーバンタム級の実力者同士。内容、結果ともに注目される試合だ。
メインイベントでは、ガードを下ろした独特な構えから一撃必殺の強打を放って数々の強豪を撃破し、キックボクシングのレジェンドとして君臨する44歳の”爆腕”大月晴明が、”ピエロブラザーズ”としてKNOCK OUTのリングを盛り上げ続けている山口侑馬と対戦。山口は昨年12月、大月に勝った町田光から肘打ちでKO勝利を収めている。山口は14日のカルッツかわさき大会では兄・裕人のセコンドに付いたが、試合に敗れると兄とともに悔し泣きをするなど、熱い一面も見せている。それだけに地元大阪大会のメインイベントでKO勝ちを狙う気持ちは強い。
12月8日にはK-1がエディオンアリーナ大阪のメイン会場に進出することも発表されている。もともと大阪はキックやボクシングが盛んな街ではあるが、今年は浪速の街にキックの熱が根づくきっかけの年になるかもしれない。その布石をまずはKNOCK OUTが「討つ」!
取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄