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札幌記念追い切り ブエナビスタ切れ味抜群

 「第45回札幌記念」(GII、芝2000メートル、23日)の最終追い切りが19日、札幌競馬場で行われた。今春の桜花賞、オークスを豪脚で制し、10月4日にはフランスGI・凱旋門賞(芝2400メートル、ロンシャン競馬場)に挑戦するブエナビスタは直線で持ち前の切れ味を披露し、万全の出走態勢をアピール。ひと回り大きく成長した姿で豪快に駆け抜けた。

 視界の先に凱旋門賞挑戦を見据えるブエナビスタにとっては負けられない一戦。だが、取りたてて変わったことをするつもりはない。“普段着”のままで札幌記念に臨む。
 8月2日に札幌競馬場に入厩してからは順調そのもの。「ここまで3本の追い切りを消化した。だいぶ体が締まってきたね」とブエナの世話役、山口厩務員は、愛馬の戦闘態勢が整いつつあることを強調する。
 「放牧していた分、多少の馬体増はあるだろうけど、精神面は変わりない。放牧先から直接、札幌競馬場に入ったのは初めてだが、普段と変わらないよ」
 松田博調教師も「順調のひと言。カイ食いもええで。いつも通りや」と陣営に一切の不安はない。
 松田博調教師は、かつて桜花賞、オークスを制した2冠牝馬ベガを管理していた。ベガとブエナビスタの比較の話になると同師は「タイプが違うな。ベガは優等生。最初からおとなしかった。ブエナは多少、うるささがあった。今はどうということはないけどな」。優等生のベガとヤンチャ娘のブエナ、と位置づける。

 ブエナはそのレースぶりも“ヤンチャ”だ。桜花賞も、オークスで後方一気。同師にしてみれば「もうちょっと前にいければな。いつもヒヤヒヤや(苦笑)」と気が気ではないレースぶり。それでも、4角14番手から差し切ったオークスを振り返り、「あれだけケツからいくとは思わんかった。4角で内を突くか、外に出すか迷っても勝つんやから、やっぱすごい馬やな」と感嘆する。
 今回は小回り平坦の札幌競馬場が舞台となる。52キロと斤量は恵まれているとはいえ、古馬の牡馬相手となれば、これまでの後方一気では苦しいはず。だが、「まあ、前に行こうと思えば行けるやろうし、心配ないやろ。ここで結果を出さんことには(凱旋門賞には)行けんしな」と指揮官は悠然と構える。
 泰然自若。態勢は整っただけに、あとはいつも通り、結果を出すだけだ。

 【最終追いVTR】調教助手を背にダートコースで単走。道中から軽快な脚さばきを披露した。ゴール前で鞍上のムチが入ると、鋭く伸びた。6F83秒6→68秒3→53秒5→39秒5→11秒5(直一杯)と時計も上々。馬体に太め感はなく、気合乗り、動きともに申し分なし。出走態勢は整った。

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