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野球 原ジャパンに3つの不安

 来年3月に行われる野球の国・地域別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表候補、松井秀喜(ヤンキース)が大ピンチだ。WBCの新規定により、出場するには所属球団の了承を得なければならないことが20日、判明した。ヤンキースは、松井秀の出場に難色を示していることから絶望的。いきなり大砲を失ったことで、サムライジャパンにさらなる不安が生まれそうだ。

 日本代表の4番候補ががけっぷちだ。
 この日、巨人の滝鼻卓雄オーナーは、代表の第1次候補にリストアップされている松井秀の参加について「DL(故障者リスト)に45日以上に入っている。難しいのではないか」と明かした。
 WBC第1ラウンド主催者の読売新聞東京本社の会長でもある滝鼻オーナーが指摘するのは、WBCの新規定。

 第2回大会では、2007、08年合わせてDLに90日以上入るか、08年のDLに45日以上、もしくは、今オフに手術する選手は、出場するために所属球団の了承が必要との要綱が盛り込まれた。
 松井秀は左ひざの故障で、6月23日から8月中旬までDLに入っていたため、この規定に引っかかる。
 一部報道によると、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは「彼が健康ならWBCでプレーするのは全く問題ない」との姿勢を打ち出しており、9月に左ひざを手術した松井秀が出場できる可能性は限りなく低い。
 これで第1回大会に続き、松井秀抜きで戦うことが濃厚になったサムライジャパン。主砲不在となればチームにどのような影響を及ぼすのか。
 ある大リーグ事情通が語る。「あれだけチャンスに強いバッターはいない。トーリ監督(当時)がスターティングメンバーから外さなかったのは、松井秀なら何とかしてくれると思っていたから」
 松井秀といえば、今季までのメジャー6年間で4度も100打点以上を記録したチャンスに強いバッター。それだけに、得点力低下は否めない。
 さらに「イチローと松井秀が組んだら1プラス1が10にも20にもなる。2人がチームの刺激にもなるんです」と松井秀が参加することの相乗効果を指摘し、「松井秀から学ぶことは多い。試合や練習はもちろんですけど、グラウンド外でも若手の手本となる選手。取材の対応、プライベートの過ごし方など、あれだけ人間的に素晴らしい選手はいない。もし、松井秀が参加しなかったら、今後のプロ野球界に影響を与えるんじゃないか」。
 3つの懸念材料が生まれたサムライジャパン。松井秀の動向とともに目が離せなくなってきた。

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