そんな若林は、売れっ子タレントの登竜門といえる階段を、着実に上っている。声優の仕事は、ブレイクイヤーの2009年にオードリーで初経験。映画『劇場版 ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合! オモチャの国で大決戦だコロン!』に、ゲスト声優として参加した。2年後には、映画『きかんしゃトーマス ミスティアイランド レスキュー大作戦!!』にも声の出演。
同年には、ピンでまさかの歌手デビューもはたしている。バラエティ番組で音痴をイジられると、アニメ『ユルアニ?』内で放送される『ハトのおよめさん』のテーマ曲「瀬戸の花嫁」を歌うハメになった。音程のはずし方は超一流だった。この年には、舞台『芸人交換日記〜イエローハーツの物語〜』で、初主演も務めている。
そして今春、新たな「デビュー」が加わる。16日(土)から上映される映画『ひまわりと子犬の7日間』で、銀幕デビューをはたすのだ。素朴で暗いという、バラエティの向こうで見え隠れする若林のはかなさが、映画関係者の目に止まったという。
この“暗い”が、若林を現在の地位に押し上げた最大の理由。陽の春日俊彰にたいして、若林は徹底して陰。初対面だと目を見て話せず、業界関係者が騒ぐ打ち上げの席は大嫌い。人見知りで、女性が苦手で、趣味は読書。これは、『アメトーーク!』(テレビ朝日系列)で判明した素顔だ。
ちなみに、同番組で春日は、「中学の時イケてない芸人」に名を連ねている。とどのつまり、オードリーはふたりそろって、暗い。だからこそ、ニッポン放送のラジオ『オールナイトニッポン』だけでしか見せない毒牙が、異常なウケ方をしているのかもしれない。(伊藤由華)