一般的に、関西人は他府県の人間よりも、おもしろいと思われがち。ところが、岡田は剛から、「関西人のクセにつまらん」と言われ続け、しょっちゅう無茶ぶりをされては、恥をかかされた。
剛は、Jr.を集めては岡田に、「おもろいこと言うて」、「一発ギャグやって」と攻撃。岡田が映画『マスク』(1994年)のジム・キャリーをまねると、意外にも、大ウケ。岡田の天賦の才は、このころから健在だったようだ。
ちなみに当時、KinKi・堂本光一はひとり部屋。唯一鍵を閉めるほど内向的で、一日中、部屋から出てこないこともあった。
V6で、岡田以外はみな実績が十二分にあった。特に、グループ最年長で、岡田とは9の年齢差がある坂本昌行は、苦労人。歌手デビューのチャンスを何度も逃し、辛酸をなめ続けた。
その甲斐あって、V6の一員になれた。まではよかったが、サラリーマンや付き人の経験もある坂本は、必然的に教育係に。年少組で10代のComing Century(略・カミセン/森田剛、三宅健、岡田)に手を焼き、不満を募らせる毎日だった。
経験値が浅く、社会のルールさえ知らない3人を、連日にわたって説教。そのストレスで酒に走り、合宿所の食堂に、ビールの空き缶をたくさん転がせたこともある。のちに、事務所から注意されたが、坂本からすれば、カミセンは仲間というよりストレス分子のかたまり。口をきかないことも多かったという。
次週は、本稿のシリーズラスト。ついに嵐の登場だ。