最初にことわっておくが同店に刃物として扱えるものは置いていない。刀剣類はみな精巧なレプリカで、店内には西洋甲冑(かっちゅう)から脇差まで数え切れないほどの商品が並んでいる。どれほどの武器・防具があるのか?
同店を運営する有限会社ヴァイスブラウレジデンツの磯野圭作代表取締役は「時代でいえば古代ギリシャ時代から現代まで。西洋、日本、中国をはじめ世界中のものがあります。アフリカや中近東のものも少ないけれどありますよ」と話す。
約3年前にオープンした。品揃えにあたっては出来のいい商品にこだわり、年々売り上げを伸ばしてきたという。自衛隊の式典用サーベルを納品するほか、撮影用の武具・衣装のレンタルも行う本格的ショップだ。
といっても商品は手頃な価格帯からあり、たとえば西洋における伝説のロングソード「エクスカリバー」は1万5000円から。坂本龍馬や土方歳三モデルの日本刀はレプリカであっても重厚な雰囲気が漂う。コスプレに使うのか、飾っているのかは定かではないが、女性客が約3割を占めているという。
変わりダネは模造小判付きかわらせんべい「これでよしなに」。時代劇によくある賄賂のパロディー商品で、いわば“悪代官向け”のおみやげか。5枚入り525円。磯野氏は「うちの一番人気商品です。非常においしいうえ、5枚のうち1枚には金箔が張られています」と太鼓判を押す。
取材中、ぶらりとやってきた若い女性2人組が手裏剣を購入した。千葉県の大学1年生(18)は「ちょっと忍者に興味がありまして…。ぜひ部屋のなかで投げてみたい」と早くも“くノ一モード”に入っていた。