「三角関係の他の女が来て困っている! 警察に電話してくれ!!」
事件の10日前、警察が出向いてケンカの仲裁をしたという。Eには妻子がいるが、現場の家に住む67歳の女性とも付き合っていて、さらに「押しかけて来た」という64歳の女とも付き合っていた。警察はうまくなだめて女を帰したというが、それから9日後、Eの長男から「父が2日前から外出して帰ってこない」と和歌山県警御坊署に届け出があった。
「もしかして、またあそこにいるんじゃないか…」
イヤな予感がした警察官たちは67歳女性の家に行ってみると、見事ビンゴ! だがEは居間で倒れており、手首から血を流していた。搬送先の病院の検査で、脳内の出血が確認され、意識不明の重体。それより問題は67歳の女性の方で、勝手口の土間で裸の状態で倒れており、すでに死亡していた。とりあえず、警察は10日前のケンカで、Eの頭を数回殴ったという傷害容疑で64歳の女を逮捕した。
女はこの傷害の事実については認めたが、67歳の女性が死亡した経緯については固く口を閉ざす。ただ、「私以外の女の人の家に行かないでと言ったのに、行ったので腹が立った」などと動機を説明しているという。
いずれにせよ、80歳の妻子ある男性をめぐって、2人の60代の女が取り合っていたという構図は間違いないようだが、67歳女性の死因は「低体温症」と判明。結局、殺人事件としては立件されなかった。
どう考えても、67歳女性を襲撃する可能性があるのは、64歳の女しかいなさそうだが、もはや死人に口なしだ。情事の真っ最中に女が訪れ、裸の2人を長時間、問い詰めたことが原因だろうか。