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オリックス担当記者が分析、吉田正の一発と繋ぐ打線が機能!首位と5.0差で交流戦へ!

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吉田正尚

 オリックスが好調だ。借金完済こそ逃してしまったが、5月15日以来、3つのカード勝ち越しもあり、7勝3敗の好成績。交流戦前に首位・西武とのゲーム差を5.0差と前週より縮めるなど、いよいよパ・リーグ首位も射程範囲内に入ってきた。先週は投げる方では“エース”金子千尋がようやく今季初勝利をあげ、“マッチョマン”吉田正尚にホームランが戻ったことが大きな原動力になっている。

▼5月22日〜27日 オリックス成績
【対東北楽天 楽天生命パーク宮城】
5月22日
○アルバース 10-0 池田隆英●
5月23日
○金子千尋 5-2 美馬学●
【対東北楽天 東京ドーム】
5月24日
●西勇輝 1-4 岸孝之○
【対千葉ロッテ ほっともっとフィールド神戸】
5月25日
○澤田圭佑(先発は松葉貴大) 9-5 涌井秀章●
5月26日
●山岡泰輔 3-6 ボルシンガー○
【対千葉ロッテ わかさスタジアム京都】
5月27日
○山本由伸(先発は田嶋大樹) 3-2 シェッパーズ(先発は土肥星也)

※48試合23勝24敗1分け。首位・西武とは5ゲーム差のパ・リーグ4位。

 先週の試合で最もシビれたのは25日のロッテ戦。今季初先発の松葉が3回でKOされるも、「繋ぐ意識」を強く持った打線が爆発し、ロッテのエース涌井を相手に4点差をひっくり返してみせた。花火ナイト開催で平日にもかかわらず、多数詰めかけた神戸のファンにはこれ以上ないプレゼントだった。

「ありがとうございます!」

 今季初勝利をあげた翌日、祝福の言葉を送ると金子はニッコリと微笑みながら応えてくれた。「全試合勝つつもりで投げている」金子にとって、開幕からここまで勝ち星がつかなかったのは、かなり悔しかったに違いない。試合後は自身に対する不甲斐なさを口にすることも少なくなかった。今回は試合数の都合もあって登録を抹消し、一軍に帯同を続けながら調整をした上での勝利なだけに、喜びもひとしおだろう。先発陣は西と山岡に先週も勝ちがつかなかった。山岡は前週と同じような崩れ方をしたので不安が残る。一方、新外国人左腕アルバースはチームトップの6勝(1敗)と計算できるピッチャーになってきた。リリーフ陣では、澤田が24日の試合では打たれてしまったが、25日の試合ではその後のミラクル劇を呼び込むナイスピッチングを見せるなど、好調をキープしている。セットアッパーの黒木、山本やクローザーの増井も安定した投球を見せており、セ・リーグ打線をどうねじ伏せるか注目だ。

 打線では,前週で指摘した吉田正尚に一発が戻ってきた。先週6試合の成績は打率.400(20-8)、本塁打2、打点9という好成績。27日現在、通算打率は.283まで上がり、本塁打7、打点は29を記録。出塁率も.365と上昇中。これに現在.289の得点圏打率が上がっていけば、他球団にとってはさらに脅威で厄介な選手になるのは間違いない。

 また、1、2番を任されている宮崎祐樹と西野真弘もバットがかなり振れており、途中守備交代などで宮崎と交代する小田裕也も含めた3人はしっかりと役割を果たしている。宮崎は打率.321、本塁打2、得点圏打率1,000!。西野は打率.281、得点圏打率.500!。小田は打率.400、出塁率が438といずれも好成績。出塁率はルーキーの福田周平も.500とチャンスに強いことから、代打での起用が多い。

 「今年からプロのボールに慣れたのか、見えるようになったんですよ」

 とにかく今年の大城滉二はピッチャーに球数を投げさせている。いわゆる下位にいながらも、いやらしいバッターに成長した。39試合に出場し、打率は.252だが、出塁率と得点圏打率で3割を超えている。福良監督は「大城は強い球に対応できる」ことを評価。安達了一との下位打線は機能したら止まらないだけに、交流戦でも期待したい。

 29日から開催されるセ・リーグとの交流戦だが、最初はナゴヤドームで中日ドラゴンズとの3連戦。中日は初戦に松坂大輔を先発させると明言している。オリックスはそのままアルバースが行くことが考えられるが、松葉の2週連続先発の可能性は極めて低い。そのため、西を6月1日の巨人戦初戦に回して、中日の3戦目をファームから誰かを上げる可能性がある。もちろんその中にはディクソンも候補に含まれているとのこと。

 現在、ファームで調整中のマレーロや中島宏之にも交流戦には戻ってきてもらいたい。2010年以来、ご無沙汰している交流戦優勝だが、2年で1クールにまとめられてしまったとはいえ、毎年健闘はしているので、そろそろ今のチームへの勲章として、交流戦優勝という「アレ」が見たい。そして、西と山岡には是非交流戦で勝ち星を稼いでもらいたいもんだ。山岡は巨人側が避けなければ6月2日の京セラドーム大阪で、高校の広島大会決勝を争った田口麗斗との先発対決が予想される。山岡は「まったく気にならないし、相手にしない」と田口との対決をバッサリ斬っていたが、世間的な注目度を集めるとなれば話は変わってくる。昨年東京ドームの巨人戦で勝利し大喝采を浴びた山岡が、再び京セラで大喝采を浴びることができるのか?今週いちばんの注目カードである。

取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄

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