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社員大量流出先の見えない武富士

 業界トップから陥落し、ついには経営破綻に至ってから1年以上が経過した、消費者金融の武富士。韓国A&Pファイナンシャル傘下で再出発の予定だったが、ここにきて、再生シナリオの雲行きが怪しくなってきたという。
 「買収代金282億円を払い込まず、12月1日に予定していた武富士自体の新旧分離による事業継承が、年末ギリギリまで延期されたのです」(全国紙経済部記者)

 とはいえ、年末までにA&Pが資金を払い込む保証はない。下手をすると、新たな支援企業を探さざるを得ないケースはもちろん、最悪の場合は会社自体の清算が視野に入ってくる。
 買収資金の調達が難航している最大の理由は、皮肉にもA&P自体の信頼が大きく低下していることだという。
 「A&Pは本国の韓国ではなく、金利の安い日本の銀行から調達する予定だった。ところが韓国で法定金利を超える金利で貸し付けていたことが発覚、金融当局から厳しいペナルティーを受ける恐れがあるため、日本の銀行が敬遠した。不良債権地獄の苦々しい経験から、すっかり腰が引けたのです」(金融関係者)

 A&Pは韓国では第1位の消費者金融という触れ込みだが、貸付残高規模で見れば、日本では中小の部類。当時は「小が大をのみ込む異例のスポンサー選定」と囁かれたものである。そんなA&Pが資金調達に汲々としているのを目の当たりにすれば、11月末で全社員の8割にあたる1300人が希望退職に応じたのも頷ける…。
 「武富士の旧経営陣は、全国規模で元利用者から訴訟を起こされている。破綻したことにより、過払い金相当額の返還を受けられないという内容の損害賠償だが、今や血みどろの展開になっています」(法曹関係者)

 まさに泥船。

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