こちらの写真の右下部分をよく見ていただきたい。何やら不思議な人物が写りこんでいるのがご確認いただけるだろうか。
周りの人物より一際小さい背丈。まるでソロリソロリと歩いているかのような足取り。そして何より注目すべきは頭ににょっきりと生えた2本の耳のようなもの…。
撮影した鷹信夫氏はこの写真を見た瞬間「まるで猫のような人間がいる!」と思ったという。
そう、この写真に写りこんでいるのは現代に潜む妖怪のひとり「猫人間」らしき人物なのである。
「猫人間」とはその名の通り、猫の頭をした人間で背丈は140センチほど、三毛猫の顔をした背広を羽織った人間で、律儀に二本足で歩く紳士的な猫だという。
猫人間の噂は古くからあり、「化物一代記」という江戸時代の書物にも「化猫遊女」というメス猫の妖怪が現れた記述が残っている。いわば、現代に続く「化け猫伝説」のルーツとも言える妖怪である。
そんな由緒ある怪物が平成の世に、しかも好物であろう魚がたくさんいる水族館に現れるとは、なんとも大胆極まりないやつである。
いったい彼の目的はなんなのだろうか。人間で言うところの「ウィンドウショッピング」のつもりなのだろうか!?
しかしながら、この写真には怪しい点がいくつかある。本当に猫人間が現れたならば、この人ごみのなかに猫の顔を持つ人間はあまりにも目立ちすぎてしまう。
次に猫人間の後ろにいる白いシャツを着た人間の存在である。この白いシャツの人間は背中を向けており、立ち位置を考えるならリュックやカバンのようなものを背負っている可能性があるのだ。ということは、これはリュックが猫の顔に見えてしまっている錯覚写真なのだろうか。
仮に錯覚写真としても不思議な点は残る。リュックが猫の顔だとしたら、この人物の本当に頭はどこにあるのだろうか。かがんでいる様子もないので、首のない人間が水族館を闊歩していたということになるのだが…。
どちらにしても誠に不思議なこの写真。読者のなかに「関西地方で猫人間を見た!」という方がいたら是非、山口敏太郎事務所へ情報をお寄せいただきたい。
(写真:鷹信夫)
(山口敏太郎事務所)