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栗東の“ご意見番”伊藤雄二元調教師が今年のダービーを斬る!

 2007年春にトレーナー業を引退するまでマックスビューティ、エアグルーヴ、ファインモーションといった数々のスーパーホースを世に送り出してきた伊藤雄二元調教師。このダービーでも1993年にウイニングチケットで頂点を極めた、まさに日本を代表する名伯楽だ。もちろん、今も鋭い眼力は衰えていない。その御大がゲートインまであと3日と迫った「第75回日本ダービー」(JpnI 東京芝2400m 6月1日)を占った。

 1993年は初のダービー制覇がかかった柴田政人騎手(現調教師)とウイニングチケットのレースだった。
 これを逃せばもう勝つチャンスはない。悲壮な覚悟で挑むベテラン騎手に対して、同馬を管理していた伊藤雄二師はなるべくプレッシャーを与えないことだけに徹した。
 「普通にしていても舞い上がってしまうのがダービー。その中で少しでもジョッキーを冷静にしてあげるのが僕たちの仕事。馬だけじゃなく、人への配慮だって必要なんだ。それがなければダービーは勝てない」
 馬の状態、実力だけで頂点は極められない。ささいなことで勝利を逃すケースは多々ある。だからこそ、日本ダービーは最高峰のレースなのだ。
 「最近は競馬の前に指示を出すオーナーとかが多い。ある程度のイメージを持って騎乗しようとしているジョッキーが直前でそんな指示を受ければどうなるか。必ず騎乗にブレが出てしまう」
 今年は主役不在の混戦。果たして伊藤氏にはどう映るのか。
 「有力馬の中でマイネルチャールズ、アドマイヤコマンドはジョッキーが若い。さっきも言うたように調教師がどこまで彼らにプレッシャーを与えないようにできるか?そういう意味ではディープスカイあたりの方がええとちゃうかな」
 NHKマイルCを制覇した切れ味、そして昨年ダービーを制した四位騎手のコンビを主役候補の筆頭に上げる。そして次にサクセスブロッケンをピックアップした。
 「あの馬は血統的に間違いなく芝で走る。脚元が悪くて、芝を使わんかっただけやろ。ケイコをビッシリできないのは割引やけど、最終追いの動きひとつでは十分に買えるんとちゃうか」
 その最終追いで、ブロッケンは古馬1600万を子ども扱い。大一番に向け、チャンスを引き寄せている。
 そして、伊藤氏は最後にもう1頭の穴馬をあげた。青葉賞3着のモンテクリスエスだ。
 「この馬はすごく馬っぷりがええんや。秋になればきっとこの世代のトップにのし上がるで。現時点での完成度は落ちるけど、素質は間違いなく上位や」
 栗東一の相馬眼を持つ男がぶった切った今年のダービー。ディープスカイ、サクセスブロッケン、モンテクリスエスの3頭は特注馬として、しっかり頭の中にたたき込んでおきたい。

〈プロフィール〉
 伊藤雄二(いとう・ゆうじ) 1937年1月14日生まれ、大阪府出身。見習騎手(55年=阪神・伊藤正四郎厩舎)、騎手(59年=阪神・伊藤正四郎厩舎→60年=阪神・坪重兵衛厩舎)を経て66年に調教師免許を取得。栗東トレセンで開業。2007年の引退までにJRA通算1155勝、うち重賞はGI(級)12勝を含め、77勝を挙げた。

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