メイショウサムソン、アサクサキングスといったGIホースをはじめ、アルナスライン、エイシンデピュティ、ロックドゥカンブなど、強豪がそろった今年の宝塚記念。一見、波乱の余地はなさそうだが、25日の追い切り終了後、特捜班の耳に気になる情報が入ってきた。
人気の一角アルナスラインの食い足りなかった追い切り。前走・目黒記念の疲れが抜けず、脚元にも不安を抱えているというのだ。
真夏を目前にジメジメした気候が続くこの時季は調整が難しく、実力だけではなく、デキの良さが結果を左右するのはいうまでもない。では、一番仕上がりのいい馬はどれか?特捜班は自信をもってアドマイヤオーラをオススメする。
1番人気に支持された金鯱賞は6着に惨敗。評価は落ちてしまったが、これにははっきりした敗因があった。松田博師は言う。
「ドバイから帰国して、検疫のため三木ホースランドパークに1カ月も滞在させられた。これが運動できるような施設ではなく、まともなケイコがほとんどできなかった。調整の遅れが影響して正直、7割の仕上がりだった」
その点、今回は順調そのもの。加減しながらの追い切りだった前走時とは違い、今回はビッシリ追われてきた。25日には栗東DWコースで6F82秒4、ラスト1Fは11秒5の鋭さだった。「前走を使ったダメージは皆無だし、仕上がり途上だった当時より状態が悪いわけがない」と師も自信満々にうなずいた。
ダイワスカーレットの背中も知る安藤勝騎手が「まともに走ればこの馬が現役ナンバーワン」と言い切るオーラの潜在能力。それを妨げていた「歩様が硬く、レースを使うとダメージが残りやすかった」弱点は今回、陣営がうまくフォローしてきた。
ならば…。京都記念を制したベストの2200mでいよいよ能力全開のときがきた。